KPMG、サステナビリティに関するレポートを発表

KPMG、サステナビリティに関するレポートを発表

10月21日、世界的な専門サービス企業であるKPMGの新しいレポートによると、世界の大企業は、気候変動などのサステナビリティリスクをビジネスリスクとして認識するようになっており、これらの問題に関する企業報告も改善されているが、ESG影響の定量化などの分野や対象リスクの幅の点で開示のギャップが残っていることが明らかになった。

本報告書「大きな変化、小さな一歩」では、KPMGが58の国・地域・管轄区域にある5,800社の財務報告書、サステナビリティレポート、ESGレポート、ウェブサイトを分析した。本報告書では、売上高上位250社の「G250」、および58地域の上位100社の「N100」という地域別の企業群に焦点をあてている。

調査によると、サステナビリティの情報開示は過去数年間で着実に増加しており、現在、G250企業の96%、N100企業の79%が何らかの形でESGまたはサステナビリティの報告を行っていることがわかった。

また、企業のサステナビリティレポートは、GRI、SASB、TCFDなどのフレームワークを中心に収斂され、ますますスタンダードベースになっているようだとも報告されている。 例えば、G250企業のGRI報告率は2020年の73%から78%に上昇し、約半数がSASBに照らして報告していることがわかった。企業やセクター間の比較可能性を向上させることに加え、多くの企業がこれらのフレームワークから多くの情報を得ていることから、今後多くの国でサステナビリティや気候に関する情報開示が義務化される際にも、基準の利用が進むことが予想される。

調査によると、特に環境と気候の問題はますます注目されており、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の勧告を用いた報告は最も急速に増加しており、2020年の37%から2022年の調査では61%に達している。KPMGによると、現在、G250企業の64%が気候変動が自社のビジネスにとってのリスクであることを正式に認めている。

しかし、環境問題への認識は高まっているものの、特にリスクの定量化については、G250企業の17%、N100企業の9%しか、気候変動による潜在的な影響のシナリオベースのモデル化または財務的な定量化のいずれかを含むと報告しておらず、大きな盲点があることが浮き彫りになった。

気候変動以外の環境リスクはあまり注目されておらず、調査対象となった企業の半数以下が生物多様性リスクについて報告しているが、その数は急速に増加してきている。同様に、社会的リスクとガバナンスリスクの報告も遅れており、それぞれ開示基準の50%を下回っている。

今年の調査では、報告書作成のための重要性評価の利用が新たに取り上げられ、約4分の3の企業が重要なトピックを開示しているという心強い結果が出ている。例えば、G250企業の77%は、自社、ステークホルダー、より広い社会のいずれかに影響を与える重要なトピックを特定しており、30%が3つのグループすべてで報告している。

KPMGは、この調査結果と並行して、KPMG ESG監査リーダーのマウラ・ホッジとKPMG ESGリーダーのロブ・フィッシャーによる米国に焦点を当てた報告書を発表した。同報告書では、米国の大企業の100%がESG情報を開示しており、米国のCEOの70%がESGプログラムによって財務業績が向上すると考えているなど、いくつかの有望な傾向が見られる一方で、いくつかの重要な分野では同国が他の国に比べて遅れていることが判明した。例えば、米国企業の43%は気候変動リスクを、13%は社会的リスクを自社の事業リスクとして認識しているに過ぎない。また、米国の大企業のうち、サステナビリティを担当する役員がいるのは23%のみで、世界の同業者の約3分の1は、役員や経営陣がサステナビリティを専門に担当している。

【参照ページ】
(原文)KPMG’s Survey of Sustainability Reporting 2022

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