インパクト投資、初めて約148兆円を突破
- 2022/10/18
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10月12日、グローバル・インパクト投資ネットワーク(GIIN)の新しい報告書の推計によると、世界のインパクト投資運用資産は1兆1640億ドル(約173兆円)に達し、初めて1兆ドル(約148兆円)の大台を突破した。
2009年に設立されたGIINは、インパクト投資の規模と効果を高めることを目的とした非営利団体で、2万人以上の投資家やリーダーをネットワークしている。GIINは、新しいレポート「2022年:インパクト投資市場の規模を測る」において、3,000以上の公的・私的市場の資産所有者および運用者からのデータを選別し、分析した。
GIINの共同設立者であるアミット・ボウリによると、インパクト投資の市場規模を推定することで、業界関係者がインパクト投資と関連するサステナビリティに焦点を当てた投資手法との比較、インパクト投資への資金流入量の追跡、市場の性質の変化を評価することを可能にすることを目的としているとのことだ。
本報告書では、グリーンボンド市場の急成長など、インパクト投資市場の勢いを支えている主要な要因に焦点を当てている。グリーンボンドは、2008年に初めて発行されて以来、環境関連のプロジェクトやイニシアティブの資金調達に利用され、昨年の年間発行額は5500億ドル(約82兆円)をはるかに超え、この債券の成功により、ブルーボンド、トランジションボンド、サステナブルボンド、ソーシャルボンドなど、他のいくつかのサステナブルファイナンス商品の開発が進み、合わせて年間発行額が1兆ドル(約148兆円)を超えている。
本報告書では、グリーンボンドの多くが特定のインパクト投資戦略を持たない投資家によって保有され、保有者や発行者が投資のインパクトを測定・管理していないため、すべてのグリーンボンドをインパクト投資として認定しているわけではないことを指摘している。
また、パンデミック時に企業の手元資金が急増し、その資金を生産的に投資するよう株主からの圧力が高まったこと、さらに企業が気候変動や社会的不公平などの問題に取り組むようステークホルダーから求められたことも、報告書に書かれている要因の一つとなっている。