ミズーリ州、反ESGの流れに乗り、BlackRockから約7,500億円を引き揚げ

10月19日、ミズーリ州財務長官Scott Fitzpatrick 氏は、同州の年金基金であるミズーリ州職員退職年金制度(MOSERS)が、BlackRockが運用するすべての公共株、総額約5億ドル(約7,500億円)を売却したと発表した。 BlackRockが 「顧客の経済的利益よりも覚醒した政治的意図」を優先させたことを理由としている。

本発表は、米国の共和党政治家による反ESGの継続的な推進における最新の動きとなる。また、テキサス州では、BlackRock、クレディ・スイス、UBS、その他数社のファンドマネージャーが、ESGの観点やネット・ゼロ投資への支持を理由に、年金基金からの売却を検討するリストを公表した。

BlackRockは、世界最大の投資運用会社であり、気候変動やエネルギー転換に関するテーマで投資界をリードする存在として、多くの取り組みの中心にいることがわかる。8月には、19人の検事総長が、BlackRockが反化石燃料とネット・ゼロのアジェンダを追求する中で、財務的リターンの重視とは一致しない「社会的目的」に従って行動しているとして、「複雑な動機」で非難する書簡に署名している。

Fitzpatrick氏は、 事務所の声明によると、MOSERS理事会は6月にBlackRockに対し、「株主利益よりもESGイニシアティブを優先するという彼らの公的声明と記録への懸念から」、同制度のために委任状の投票を棄権するよう指示したが、BlackRockはその要求を拒否し、保有株式の売却決定に至ったと主張している。

【参照ページ】
(原文)Missouri Pulls $500 Million From BlackRock Over Asset Manager’s ESG Push

関連記事

“ランキングのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2024-12-9

    SGS、新サービスでCSRDコンプライアンスとESG報告を支援

    11月25日、SGSは企業がCSRD(企業サステナビリティ報告指令)への対応を進めるための3つの新…
  2. 2024-12-6

    環境省、グリーンファイナンスガイドライン2024年版を発表

    11月8日、環境省は「グリーンボンド及びサステナビリティ・リンク・ボンドガイドライン2024年版」…
  3. 2024-12-5

    ISS ESG、カスタマイズ可能な気候影響レポートを発表

    11月21日、 ISS STOXXのサステナブルファイナンス部門であるISS ESGは、投資家向け…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る