2月26日、カナダ政府は、グリーンインフラや自然保護プロジェクトを加速させるための資金を確保し、同国の気候変動目標の達成を支援することを目的に、2本目のグリーンボンドを発行すると発表した。メディアの報道によると、10年債の発行により40億ドル(約6,000億円)の調達を目指す。
今回の新規発行は、2022年3月にカナダが初めて発行した50億ドル(約7,500億円)のグリーンボンドに続くもの。2023年4月に発行された最新のグリーンボンド配分報告書によると、調達資金の3分の1以上が、ゼロ・エミッション車(ZEV)の採用を支援する取り組みやプロジェクト、充電ステーションなどのZEVインフラ整備を含む「クリーン輸送」への投資に向けられた。その他、持続可能な農業の実践を支援し、農業部門におけるGHG排出を削減する革新的技術の開発を奨励するための資金を提供する「生活天然資源と土地利用」や、「再生可能エネルギー」などが上位に割り当てられた。
新募集の開始に先立ち、カナダはグリーンボンド・フレームワークを更新し、募集資金の適格支出分野、プロジェクトの評価・選定に使用されるプロセス、配分および影響報告義務の概要を示した。
フレームワークの最も重要な更新のひとつは、適格投資分野のリストに原子力関連支出を追加したことであり、カナダにとって初めてのことである。EUや提案されている英国の分類法を含む管轄区域のサステナブル・ファイナンスの分類法に、原子力活動が含まれることになったが、前者については、一部の加盟国や欧州委員会自身のサステナブル・ファイナンス諮問グループが、他のサステナビリティの目標に悪影響を与える可能性や、放射性廃棄物の管理による長期的な問題の可能性などの問題点を指摘し、その追加に反対するなど、議論の的となった。
同枠組みでは、発電および熱のための原子力の導入を、クリーンエネルギーの適格カテゴリーに挙げている。同枠組みの下でグリーンボンド資金が割り当てられるその他の適格カテゴリーには、「クリーンな輸送」、「生きた天然資源と土地利用」、「エネルギー効率」、「陸域および水域の生物多様性」、「気候変動への適応」、「持続可能な水と廃水管理」、「循環型経済に適応した製品・生産・技術・プロセス」、「汚染防止と管理」が含まれる。
【参照ページ】
(原文)Canada to issue second green bond
(日本語参考訳)カナダ、第2回グリーンボンド募集開始。適格投資対象に原子力を追加