Woodside、ReCarbonおよびLanzaTechと炭素回収・利用の共同研究を開始

9月23日、オーストラリアの大手エネルギー生産会社Woodsideと米国の技術開発会社ReCarbonとLanzaTechは、炭素排出を有用な製品に変換することを目的とした共同研究プログラムを開始したと発表した。

Woodside 、 ReCarbon、 LanzaTechは、西オーストラリア州パースに建設予定の炭素回収・利用(CCU)パイロット施設の実行可能性を調査している。

本施設は、 ReCarbonと LanzaTechの技術を用いて、二酸化炭素(CO2)やメタンなどの温室効果ガスを付加価値の高いエタノールに再利用するものだ。 ReCarbonの技術は、二酸化炭素とメタンを合成ガスに変換し、 LanzaTechの技術は、合成ガスをエタノールに発酵させるものである。従来、エタノールの製造は、トウモロコシなどの原料作物のための土地と水の使用に依存していた。CCUは、これらの天然資源への依存を減らすことができる。

Woodside は、CCUは低炭素化のための代替ソリューションを求める既存・潜在顧客からの需要が高まっている新興分野であると確信している。このコラボレーションと提案されたパイロット版は、 Woodside の新しいエネルギー製品と低炭素化サービスの開発へのコミットメントを示すものだ。本プロジェクトは、現在フロントエンド・エンジニアリングの設計段階に入っている。

現在、オーストラリアのクリーンエネルギー規制当局は、排出削減基金のもと、炭素分離回収・利用・貯留の方法を開発するための共同設計プロセスを主導している。

Woodside は、低コスト、低炭素、収益性、回復力、多様性に富んだポートフォリオを構築することで、エネルギー転換期において成功を収めることを目指している。 Woodside の気候戦略は、2つの重要な要素を持っている。Woodside の純資本Scope1と2の温室効果ガス排出を削減し、排出を削減する際に顧客が必要とする製品やサービスに投資することだ。2021年、Woodsideは、水素、再生可能エネルギー、炭素回収利用貯留(CCUS)などの新しいエネルギー製品や低炭素サービスのために、2030年までに50億ドル(約7290億円)の投資目標を設定した。

【参照ページ】
(原文)Givaudan and LanzaTech announce their collaboration on developing sustainable fragrance ingredients from renewable carbon
(日本語訳)ジボダンとランザテックが再生可能な炭素を原料とする持続可能な香料原料の開発で協力することを発表

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