2月13日、プロフェッショナル・サービス企業EYが発表した新しいグローバル消費者調査によると、消費者の3分の2以上が、エネルギー・サステナビリティへの意識が高いにもかかわらず、持続可能なエネルギー行動に時間やお金を費やしたくないと回答している。
EYは、「エネルギー転換に関する消費者インサイト」と題する本調査のため、北米、南米、欧州、アジア太平洋を含む21の市場において、3年間にわたって約10万人の家庭用エネルギー消費者を対象に調査を実施した。
全体として、消費者の65%が持続可能なエネルギーの選択を始める方法を知っていると回答している一方で、再生可能エネルギーや持続可能性などの用語をよく理解している人の割合は過去3年間停滞しており、26%にとどまっている。同様に、消費者は屋上太陽光発電やEVなどの新しいエネルギー製品に関心があると回答しているが、3分の2は今後3年間にこれらの製品に投資する予定はないと回答している。
本調査では、政府のクリーンエネルギー政策の重点分野と消費者行動との間に断絶があることもわかった。一例として、報告書は、いくつかの管轄区域で、ガスボイラーをヒートポンプに置き換えることに政策的重点が置かれつつあることを強調したが、その一方で、今後3年間のエネルギー製品への投資先としてヒートポンプを第一候補に挙げる消費者はわずか11%であることが調査でわかった。
調査によると、消費者の3分の2が、10%のエネルギー料金の値上げを吸収できないと回答しており、エネルギーが手頃な価格で維持されると確信していると回答したのはわずか30%であった。EYのエネルギー消費者信頼感指数(ECCI)によると、過去1年間にほぼすべての市場で信頼感のスコアが低下しており、オーストラリア、オランダ、英国など、価格変動が激しい市場で最も大きく低下している。
報告書によると、クリーン・エネルギーの普及を妨げているもう一つの重要な要因はアクセスであり、回答者のわずか33%がクリーン・エネルギーの選択肢にアクセスできると確信していると回答しており、また、賃貸契約者や低所得者は新しいエネルギー・ソリューションへの投資を計画している可能性が2~3倍低い。
【参照ページ】
(原文)Two thirds of energy consumers unwilling to spend more time and money to be sustainable – EY research
(日本語参考訳)EY調査:消費者の70%、「エネルギー転換への支出増に消極的」と回答