炭素回収・転換企業LanzaTech、捕集した炭素を燃料や製品に転換するプラントを建設へ

BrookfieldがLanzaTechに最大約1,444億円を投資し、捕集した炭素を燃料や製品に転換するプラントを建設へ

10月3日、炭素回収・転換(CCT)企業のLanzaTechは、クリーンエネルギー投資家のBrookfield Renewable Partnersと資金提携し、炭素を持続可能な燃料、繊維、包装材などの材料に転換するための商業規模の生産プラント開発に資金を提供することを発表した。

2005年に設立されたイリノイ州のLanzaTechは、生物学に基づくプラットフォームにより、回収した炭素を、化石資源から生産されるはずの原料に変換する。ランザジェットの技術は、製鉄所の排出ガスを、持続可能な航空燃料、衣料品、洗濯用洗剤、家庭用洗剤、高級香料などの製品に変換している。

また、商業規模のガス発酵プラント2基で3,000万ガロン以上のエタノールを生産し、15万トン以上のCO2を大気中に放出するのを相殺したことに相当する。

今回の新しいパートナーシップの下で、Brookfieldは新しいCCTプロジェクトの建設と運用のために最初に5億ドル(約722億円)を投資し、その資金はBrookfieldの最初のネット・ゼロに焦点を当てたインパクトファンド、Brookfield Global Transition Fundを通じて提供される。また、BrookfieldはLanzaTechに5000万ドル(約72億円)を投資し、さらなる企業発展を支援する。

さらに、Brookfieldは、欧州と北米におけるLanzaTechCCTの機会に対して優先的な資本パートナーとなり、合意したマイルストーンで十分なプロジェクトが利用可能になった場合、パートナーシップへの投資に対してさらに5億ドル(約722億円)をコミットする可能性がある。

Brookfieldは昨年、ネット・ゼロ移行に特化したファンドを立ち上げ、2022年6月に最終クローズを発表、150億ドル(約2.1兆円)を調達し、ネット・ゼロ・カーボン経済への世界的移行を促進するための、これまでで最大のプライベート・エクイティ・ファンドとなった。

【参照ページ】
(原文)LanzaTech and Brookfield Form Strategic Partnership with an Initial $500 Million Commitment
(日本語訳)LanzaTechとBrookfieldが戦略的パートナーシップを締結、初期投資額は5億ドルへ

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  2. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…
  3. 2024-3-26

    【さくっと読める】ESGスコアとは。基本的知識を解説。

    今月から、サスティナビリティ情報開示で関心の高いテーマについて、さくっと読める解説コラムを発行して…

ピックアップ記事

  1. 2024-4-18

    オーストラリア裁判所、グリーンウォッシュ訴訟でバンガードに有罪判決

    3月28日、オーストラリアの連邦裁判所は、バンガード・インベストメンツ・オーストラリアが、同社のE…
  2. 上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    2024-4-15

    上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    4月に発表した、投資データ・リサーチプロバイダーであるMSCIの新しいレポートによると、世界の上場…
  3. SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    2024-4-15

    SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    4月9日、科学的根拠に基づく目標設定イニシアティブ(SBTi)は、企業の環境持続可能な行動を気候変…

アーカイブ

ページ上部へ戻る