ILO、IOM、WEF、2021年の現代奴隷の数を発表

 

9月12日、国際労働機関(ILO)、国際移住機関(IOM)、国際人権NGOのWalk Free Foundation(WEF)は、世界全体の2021年の現代奴隷の数が5,000万人であったと発表した。このうち、2,800万人が強制労働に、2,200万人が強制結婚に囚われている。

現代奴隷制にある人々の数は、過去5年間で大幅に増加している。2016年の世界推計と比較して、2021年には1,000万人以上の人々が現代奴隷制におかれている。女性と子どもは依然として不相応に弱い立場にある。現代の奴隷制は、世界のほぼすべての国で発生しており、民族・文化・宗教の垣根を越えている。強制労働の半分以上(52%)と強制結婚の4分の1は、高中所得国または高所得国に見られる。

強制労働の大部分(86%)は民間企業で発生している。商業的な性的搾取以外の分野での強制労働は全強制労働の63%を占め、商業的な性的搾取の強制は全強制労働の23%を占めている。

国家による強制労働は、強制労働者の14%を占めており、強制労働に就いている人のほぼ8人に1人が子ども(330万人)である。その半数以上が、商業的な性的搾取を受けている。

2021年には、2,200万人が強制結婚の中で生活していたと推定されている。これは、2016年の世界推計から660万人増加した。強制結婚、特に16歳以下の子どもが関与する強制結婚の真の発生率は、現在の推定値をはるかに上回ると推定されている。児童婚は、子どもが法的に結婚に同意できないため、強制された結婚とみなされる。

強制結婚は、長く定着している家父長制の考え方や慣行と密接に関係しており、非常に状況依存的である。強制結婚の圧倒的多数(85%以上)は、家族の圧力によって引き起こされている。強制結婚の3分の2(65%)はアジア太平洋地域に見られるが、地域の人口規模を考慮するとその普及率はアラブ諸国が最も高く、この地域では1,000人中4.8人が強制結婚されている。

【参照ページ】
(原文)50 million people worldwide in modern slavery
(日本語訳)ILO、IOM、WEF、2021年の現代奴隷の数を発表

関連記事

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-5-16

    EBA、EU域内銀行の気候リスク指数を初公開

    4月25日、欧州銀行監督機構(EBA)は25日、EUおよびEEA(欧州経済領域)域内の銀行セクター…
  2. 2025-5-16

    米国グリーンビルディング協会、持続可能な建築基準「LEED v5」を発表

    4月28日、米国グリーンビルディング協会(USGBC)はLEED(Leadership in En…
  3. 2025-5-14

    ニューヨーク市会計監査官、新たな排出削減基準を発表

    4月22日、ニューヨーク市会計監査官(Comptroller)のBrad Lander氏は、アース…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る