
4月29日、気候変動対策ファンドとして世界最大規模を誇るALTÉRRA(アルテラ)はインドの再生可能エネルギー企業Evren(エブレン)に対して1億ドル規模の出資を実施すると発表した。本投資は、ブルックフィールド・アセットマネジメントや他の投資家との共同によるものであり、アルテラ・アクセラレーションファンドを通じたグローバル・サウスへの初の直接投資案件となる。
エブレンは、インド国内で急成長を遂げる風力・太陽光発電・蓄電池開発プラットフォームで、ラジャスタン州とアーンドラ・プラデシュ州を中心とし、最大約11GW規模の再生可能エネルギー事業の開発・建設に取り組む。インド政府が掲げる「2030年までに再エネ500GW導入」の国家目標への貢献に加え、地元メーカーとの連携を通じたサプライチェーン強靭化や経済成長も後押しする。同国は2024年のGDP成長率約6.5%と世界で最も急成長する主要経済国であり、急増するエネルギー需要を再生可能電力で賄うため、2030年までに約3,000億ドルの投資が必要と見込まれている。
アルテラのCEO、マジド・アル・スワイディ氏は「エブレンへの出資は、私たちのミッションであるグローバル・サウスへの実効的でスケールの大きい気候イニシアティブへの資本還流をまさに具現化したものだ」とコメント。「信頼性と手ごろな価格のエネルギー供給を支え、投資機会を創出するだけでなく、投資の在り方自体を変革していく」と語った。
ブルックフィールド・アセットマネジメントのプレジデント、コナー・テスキー氏も「この出資はインドの野心的な再エネ目標と経済成長、エネルギー安全保障の両立を力強く後押しする」と強調した。
今回のエブレンへの投資は、ブルックフィールド・グローバル・トランジション・ファンドII(BGTF II)からの最新案件となる。アルテラはCOP28での20億ドル拠出を含め、BGTF II最大の外部投資家。開発途上市場の再生可能エネルギー拡大と、グローバルな気候資本動員のリーダーシップをアピールしたかたちだ。
本出資は、インドの再エネ導入加速のみならず、アルテラの戦略および2025年以降のさらなるインパクト拡大方針も内外へ示すものとなった。
(原文)ALTÉRRA invests in Indian clean energy platform Evren to accelerate the growth and buildout of its 11GW renewable energy pipeline
(日本語参考訳)ALTÉRRA社、インドのクリーンエネルギー・プラットフォームEvren社に投資し、11GWの再生可能エネルギー・パイプラインの成長と構築を加速