
8月7日、米リチウム硫黄電池大手ライテンは、スウェーデンとドイツにおけるノースボルトの残存資産を取得する契約を締結したと発表した。対象はスウェーデン・シェレフテオのNorthvolt Ettと拡張施設、ヴェステロースのNorthvolt Labs、ドイツ・ハイデのNorthvolt Drei、並びに全知的財産権(IP)で、資産価値は約50億ドルである。既存の電池生産能力16GWhと建設中15GWh以上を含み、将来的に100GWh超への拡張計画もある。
Lytenは契約成立後、EttとLabsの操業を即再開し、解雇された従業員の相当数を再雇用する方針を示した。これに対し、スウェーデン副首相エバ・ブッシュ氏は「スウェーデンのエネルギー自立に資する重要な一歩」と歓迎した。取引は民間投資による全額出資で、スウェーデン・ドイツ政府及びEU機関の承認を経て年内第4四半期に完了予定である。
本件はライテンによる一連のノースボルト資産買収の一環で、2024年11月に米カリフォルニアのCuberg工場、2025年7月にはポーランド・グダニスクの欧州最大BESS工場「Northvolt Dwa」、同月末にはBESS製品とIPを取得済みである。今回の取引後、Dwaも即時再稼働予定で、20カ国以上へのBESS供給を加速する。
また、カナダ・ケベック州のノースボルト シックス(15GWh)取得にも意欲を示し、北米政府や地元関係者と協議中である。ライテンの会長ラース・ヘルリッツ氏は「欧米製電池需要は拡大の一途。ノースボルトの製造資産とライテンの技術、米国供給網の融合は、両地域の電池製造目標を達成する鍵となる」と述べた。
現在、ライテンはシリコンバレーでリチウム硫黄電池を製造し、ドローンや防衛市場に商業供給中である。近く国際宇宙ステーションへの投入も予定しており、数十億ドル規模のBESS受注残を抱える。
(原文)PRESS RELEASE: Lyten to Acquire All Remaining Northvolt Assets in Sweden and Germany
(日本語参考訳)プレスリリース:Lyten社がスウェーデンとドイツにおけるNorthvolt社の残りの資産をすべて買収