英当局、グリーン広告の責任範囲を明確化サプライチェーン全体に「誤認防止」徹底求める

1月22日、英国の競争・消費者保護当局であるコンペティション・アンド・マーケッツ・オーソリティ(シーエムエー)は、環境配慮をうたう「グリーンクレーム(環境主張)」をめぐり、サプライチェーン全体での責任の所在を整理した新たな指針を公表した。企業が製品やサービスの環境性能を訴求する際、主張の根拠を示せない、または誤解を招く表示は消費者法違反となり得るとして、ブランド、メーカー、卸、販売店など各段階での検証体制の整備を促した。
指針は、同当局が先に示した「グリーンクレーム・コード」を補完する位置づけで、原材料供給から小売まで複雑化する供給網の中で「誰が環境主張をしているのか」を広く捉える。ウェブサイトや広告、パッケージ上の文言だけでなく、環境を想起させるロゴや図柄の使用、重要情報の不記載(例:特定の回収ルートでしか効果が得られないのに説明しない)も「主張」に含まれるとした。
また、製品に付された環境表示を小売がそのまま販売する場合でも、結果として主張を「繰り返している」と評価され得る点を明記。主張が虚偽・誇大であれば、メーカーだけでなく小売も不公正な取引慣行に関与したとして責任を問われる可能性があるとした。
新指針は、証拠に基づく裏付けの重要性を強調した。サプライチェーンのどの段階がデータや認証を持つかはケースによって異なるが、表示を行う企業は必要な情報を入手し、正確性を確認する手当てが不可欠だとする。十分な根拠を得られない場合は、主張の仕方を検証可能な形に言い換える、取引関係そのものを見直すといった対応を検討すべきだとした。
さらに、2025年4月に施行されたデジタル・マーケッツ・コンペティション・アンド・コンシューマーズ・アクト2024(ディーエムシーシー法)により、シーエムエーは裁判を経ずに、違反認定や是正命令、消費者への救済命令、制裁金を科し得る枠組みを持つと説明。民事執行では「故意でない」ことは免責にならず、結果として誤認を生む主張は違反となり得るとした。一方で、社内プロセス整備や是正の迅速さなど、コンプライアンスに向けた実質的な取り組みは、執行優先度や制裁の判断で考慮し得るとした。
文書では、架空事例として、①自社ブランド商品で「再生材100%」を根拠薄弱なまま表示、②有名ブランドが「100%再生材」と誤解を招く商品名を卸し小売が修正できないまま販売、③スーパーが基準を満たさない商品を「環境レンジ」として一括訴求、④供給不足で持続可能材を使えなくなっても表示を継続するサプライヤー、⑤「堆肥化可能」だが特定回収が必要なのに説明がない家庭用品――などを示し、どの段階が是正に最も適しているかを含め、責任分担の考え方を提示した。
併せて、小売、ブランド、サプライヤー・メーカー向けのチェック項目も公表。販売前に証拠を取得する手続き、定期的な表示点検、取引先変更時の再確認、重要情報を主張の近くに分かりやすく掲示することなどを挙げた。英国の広告規制当局であるアドバタイジング・スタンダーズ・オーソリティ(エーエスエー)の環境主張ガイダンスとも整合的だとしている。
環境配慮をうたう表示が増える一方、グリーンウォッシュ(見せかけの環境配慮)への監視が強まる中、当局は「明確で正確、誤認を生まない主張」をサプライチェーン全体で担保するよう求めている。
(原文)Making green claims: Getting it right, across the supply chain
(日本語参考訳)環境に配慮した主張をする:サプライチェーン全体で正しく行う

