Firmenich、2039年までのネット・ゼロ・エミッションを約束

8月23日、フレグランスおよび嗜好品会社であるFirmenichは、2039 年までにバリューチェーン全体で温室効果ガス (GHG) の排出をネット・ゼロにすることを約束することを発表した。また、同社の短期および長期の排出量削減目標が、Science Based Targets initiative (SBTi) によって検証・承認されたことも発表した。

SBTiは、気候変動への対応と抑制という世界的な目標と、企業の環境持続可能性行動との整合性に焦点を当てた重要な組織の一つ。昨年、SBTiは「ネット・ゼロ・スタンダード」を立ち上げ、ネット・ゼロ・エミッションを達成するための企業の取り組みを評価・認証するための厳格な基準を設定した。また、SBTiは、気候変動による最悪の影響を回避するために必要な1.5℃温暖化の野心に沿った目標のみを受け入れることを発表し、承認された気候目標の基準を厳しくしている。

調達パートナーによるエネルギー使用など、サプライチェーンに与える影響に対処するため、Firmenichは、2021年を基準として、2039年までにスコープ3のGHG排出量を90%削減することを約束している。また、2026年までに科学的根拠に基づく目標を設定することで、80%のサプライヤーが消費することを目標としている。

本発表は、2021年に発表されたフィルメニックのESG戦略に続くもので、2025年までに直接事業において気候変動に左右されない企業になること、2030年までにカーボンニュートラルになること、2030年までに水不足の地域における事業でウォーターニュートラルになること、2030年までにプラスチック廃棄物を100%リサイクルまたは再利用することなどの目標が盛り込まれている。また、2030年までに、生産する香料のすべてを再生可能なものにすること、自然保護プログラムの100%を科学的根拠に基づく目標に照らして報告することなども約束した。

【参照ページ】
(原文)Firmenich Receives SBTi Approval For Net-Zero Emissions Target
(日本語訳)Firmenich、2039年までのネット・ゼロ・エミッションを約束

関連記事

おすすめ記事

  1. 【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    2025-9-11

    【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    気候変動や自然資本など、環境領域に関する開示が進みつつある中、次なるテーマは「社会」の領域。TIS…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…

ピックアップ記事

  1. 2025-11-6

    CDPとTNFD、2025年質問票の対応マッピングを公開

    10月22日、CDPとTNFDは、CDP 2025年版企業質問票とTNFD開示推奨項目・指標との対…
  2. 2025-11-6

    ISSB、国際的なサステナビリティ開示の「グローバル・パスポート」構想を発表

    10月30日、ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)は、ロンドンで開催された「IFRSサステナ…
  3. TNFD・自然移行計画の5つの構成要素と先行事例/実践例の紹介

    2025-11-5

    TNFD・自然移行計画の5つの構成要素と先行事例/実践例の紹介

    ※2025年11月4日公開済みの記事にTNFDが発行した「Nature in transition…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る