6月17日、国連広報センターは「SDGメディア・コンパクト」に加盟する日本のメディア有志108社とともに、メディアの力を通じて気候変動対策のアクションを呼び掛けるキャンペーン「1.5℃の約束 – いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」の立ち上げを発表した。国連とメディアとのグローバルな連携の枠組み「SDGメディア・コンパクト」に加盟しているメディアが、国レベルで共同キャンペーンを展開するのは世界で初めてである。
本キャンペーンは、メディアの情報発信を通じて、なぜ世界の平均気温上昇を産業革命以前と比較して1.5℃に抑えることが必要なのかについて理解を促進し、地球温暖化をはじめとする気候変動に歯止めを掛けるための具体的なアクションを提示し、個人や組織に行動変容を促すことを目的としている。
2018年9月に国連が世界中の報道機関とエンターテインメント企業の資源と創造力を持続可能な開発目標(SDGs)の推進に動員するために発足した「SDGメディア・コンパクト」は、6月10日時点で世界で279社が加盟、そのうち170社が日本のメディアで、日本は非常に大きな割合を占めている。これら日本のメディアの力を結集する「1.5℃の約束」キャンペーンには、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、オンラインメディアといった様々な業態と規模のメディアが垣根を越えて参加し、日本中の人々に「1.5℃の約束」を守るためのアクションを取ることを訴える。
キャンペーンタイトルの「1.5℃の約束」には、日本を含む国連気候変動枠組条約(UNFCCC)締約国が、昨年11月に開催された気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)で示した、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1.5℃に抑えることを事実上の目標とする決意をあらゆる個人と組織がともに支え、実行する決意が含まれている。スローガン「いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」には、その目標に向かって具体的なアクションを取る必要性を訴えるメッセージが込められている。
本キャンペーンは17日に始動し、各国首脳や世界のリーダーたちが米国 ニューヨークに集結する第77回国連総会ハイレベルウィーク初日の2022年9月19日(月)から、エジプト シャルム・エル・シェイク で開催される気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)の最終日(予定)である11月18日(金)までの2カ月間をキャンペーン強化期間とし、情報発信を強化する。
本キャンペーンの参加社は番組や編集コンテンツ、自社のウェブサイトやSNS、イベント等の発信の場を通じて、気候変動の現状を伝えるとともに、対策を拡大、加速するためのアクションなどを提案し、個人や組織に「1.5℃の約束」を自分事化してもらうことを目指す。参加社は、さらに、企業としての自社の気候アクションの取り組みも強化することが期待される。
なお、本キャンペーンは、個人レベルでの気候アクションを呼びかける国連本部の「ActNow」グローバル・キャンペーンの一環として展開する。