SEC、ESGファンドをめぐり Goldman Sachsに調査を実施

SEC、ESGファンドをめぐり Goldman Sachsに調査を実施

6月12日現在、米国証券取引委員会(SEC)は、Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)のESGをテーマにした投資ファンドの一部を巡って調査を行っている。

現在、世界中の規制当局が、ESGまたはサステナビリティ基準を誇張するグリーンウォッシュを撲滅する取り組みを強化している。先月、SECは、一部の投資信託の投資判断に用いたESGの考慮事項について虚偽の記載や省略を行ったとしてBNYメロン・インベストメント・アドバイザーを起訴した。また、ドイツ銀行の投資部門であるDWSのAsoka Woehrmann CEOが辞任した翌日、同社のグリーンウォッシュ疑惑に対する捜査の一環として、警察がフランクフルト支社に踏み込んだ。

規制当局がサステナビリティに関する新たな報告要件を導入する中、企業は今後もESGの主張に対する監視の目を強めていくと思われる。SECは5月に、ESG要素を投資商品やサービスに組み込んでいると主張するファンドやアドバイザーに対する新しい開示規則案を発表した。

【関連記事】SEC、グリーンウォッシュをターゲットに、ESGファンドの新しい開示規則を公表

また、ファンドの名称に関する規則の更新案も発表し、ファンドが対象とする投資の種類を正確に表現し、ファンドの投資やリスクについて投資家を誤解させないような名称を求めている。 新しい命名規則では、名称にESGを使用するファンドは、ESG投資方針に沿った資産にファンドの資産の80%以上を配分することが義務づけられることになります。

ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントは、ESGとサステナビリティをテーマとした投資商品と機能のラインナップを積極的に拡充している。4月には、オランダに拠点を置くESG投資に特化した資産運用会社NN Investment Partners(NN IP)を19億ドル(約2,500億円)で買収し、最近では、投資先企業の気候報告や多様性の要件を高める動きを発表している。

【関連記事】ゴールドマン・サックス、ESGに特化した資産運用会社NN Investment Partnersを約2,300億円で買収

【参照ページ】
(原文)Goldman Sachs Is Being Investigated Over E.S.G. Funds
(日本語訳)SEC、ESGファンドをめぐり Goldman Sachsに調査を実施

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. 2025-7-3

    英・豪銀行連合、中小企業のスコープ3把握支援で新会社 50兆ドル市場開拓へ

    6月24日、英ナットウエスト・グループ、豪州ナショナル銀行(NAB)、英スタンダードチャータード傘…
  2. 2025-7-1

    カナダ年金基金、2030年までに4,000億ドルの気候投資

    6月19日、カナダの大手機関投資家であるケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)は、2050年ネットゼロ…
  3. 2025-7-1

    GRI、サステナビリティ報告のデジタル化を促進する新「サステナビリティ・タクソノミー」を発表

    6月19日、GRI(Global Reporting Initiative)は、新たに「GRI S…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る