世界最大のグリーン水素プラットフォーム、約875億円の融資を獲得

世界最大のグリーン水素プラットフォーム、約875億円の融資を獲得

6月9日、カナダのManulife(マニュライフ)、Alberta(アルバータ)投資管理公社(AIMCo)、オンタリオ教員年金基金などの投資家グループと、シンガポールのGICは、世界最大のグリーン水素プラットフォームへの6億5000万ドル(約875億円)の出資を発表した。

本融資は、ベンチャーキャピタルのHaddington Ventures(ハディントン・ベンチャーズ)が組成したシンジケーションプログラムであるHaddington ESP Iを通じて行う。Haddington ESP Iは、Advanced Clean Energy Storage Joint Venture (ACES Delta)が開発するプロジェクトに建設資金を提供する予定である。

ACESデルタは、三菱パワーアメリカスと Magnum Development(マグナム・ディベロップメント)の合弁会社である。 Intermountain Power Agency(IPA)との契約に基づき、1日最大100トンのグリーン水素を製造する電解槽を備えたグリーン水素貯蔵ハブを、ユタ州のデルタ近郊で開発している。

Haddington ESPからの最初の資金は、水を水素と酸素に分解する220 MWの電解槽に、再生可能エネルギー資源を利用して電力を供給するプロジェクトに使用する。得られたグリーン水素は、塩のドーム型貯蔵窟に貯蔵され、IPAに提供される。IPAは、水素を天然ガスプラントで使用・発電する計画を立てている。

ハディントン・ベンチャーズによると、今回の資金調達後、水素ハブの建設は今月中に開始でき、2025年の操業開始を予定している。

【参照ページ】
(原文)HADDINGTON VENTURES ANNOUNCES $650 MILLION EQUITY SYNDICATION PROGRAM TO FINANCE THE WORLD’S LARGEST GREEN HYDROGEN PLATFORM
(日本語訳)ハディントン・ベンチャーズ、世界最大のグリーン水素プラットフォームへの出資に向け、6億5千万ドルの株式シンジケーションプログラムを発表

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る