ESMA、投資ファンドセクターのサステナビリティリスク評価に係る検査を開始

7月6日、EUの金融市場規制・監督機関である欧州証券市場庁(ESMA)は、サステナビリティに関連する開示とサステナビリティリスクの統合に関する各国所轄庁(NCA)との共通監督行動(CSA)を開始する。

目的は、持続可能な金融情報開示規則(SFDR)、タクソノミー規則、及び関連する実施措置(サステナビリティリスクの統合に関するUCITSおよびAIFMDの実施規則の関連規定を含む)の関連規定を監督対象の資産運用会社が遵守しているかどうかを評価することである。

ESMAが開発した共通の方法論を用いて、NCAはサステナビリティに関連する情報開示の監督方法の収斂を促進する方法について、知識と経験を共有する。主な目的は以下の通りである。

  • 市場参加者が実際に適用される規則や基準を遵守しているかどうかを評価する
  • 投資運用セクターにおけるグリーンウォッシュリスクに関する情報を収集する
  • 関連する監督・規制当局のさらなる介入を特定する

不正確で誤解を招くような開示に起因するリスクに対する監督の収束性を高めることは、透明性を促進する努力の中心であり、NCAsの連合戦略的監督優先事項のひとつとされている。CSAは、サステナブル・ファイナンスのバリューチェーンの主要なセグメントにおいて、資産運用会社によるESG開示の理解可能性を向上させることにより、本目標を推進する。さらに、事業体及び商品レベルでのグリーンウォッシングリスクの特定に関する予備的な調査結果は、グリーンウォッシングに関するESMAの最終報告書に明記される。

【参照ページ】
(原文)ESMA and NCAs to assess disclosures and sustainability risks in the investment fund sector
(日本語参考訳)ESMA、投資ファンドセクターのサステナビリティリスク評価に係る検査を開始

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