電力大手NextEra、2045年までにオフセットなしで排出量をゼロにすると約束

6月14日、米国最大の電力会社であるNextEra Energy(ネクステラ・エナジー)は、事業活動から排出されるCO2をゼロにする新たな持続可能性目標「Real Zero」の開始を発表した。本計画はネット・ゼロを超え、カーボンオフセットを使用せずに、排出量ゼロを達成するというもので、今回の新たなコミットメントは米国のエネルギー供給会社が設定した最も野心的な目標である。

ネクステラ・エナジーは、本目標を達成するために、炭素排出削減計画「ゼロカーボンブループリント」を策定し、同社の脱炭素化を実現するとともに、電力部門や顧客の事業からの排出量削減・削減を支援する。また、再生可能エネルギーの低コストでの導入によって、米国経済の脱炭素化をリードしていくことを目指している。

ネクステラ・エナジーは、「ゼロカーボンブループリント」を用いて、3つの並行した道筋に沿って排出量を削減する計画である。1つ目は、2045年までにカーボンオフセットの必要性を除いた炭素排出をゼロにする計画。2つ目は、風力、太陽光、蓄電池、グリーン水素、その他の再生可能エネルギー開発への投資を通じて、米国の電力セクターの脱炭素化を支援する計画。3つ目は、同社が顧客の優先パートナーになり、顧客の事業活動におけるCO2排出量の削減・除去を支援する計画を掲げている。

ネクステラ・エナジーの子会社であるNextEra Energy Resourcesも、「Real Zero」達成に向けた主要なステップを発表している。その中には、投資家所有の電力会社、自治体、協同組合電気会社のゼロ炭素排出への移行を支援する計画、電力以外の部門へのクリーンエネルギーソリューション提供、脱炭素化を支援する送電機会への投資などが含まれている。

【参照ページ】
(原文)NextEra Energy sets industry-leading Real Zero™ goal to eliminate carbon emissions from its operations, leverage low-cost renewables to drive energy affordability for customers
(日本語訳)電力大手NextEra、2045年までにオフセットなしで排出量をゼロにすると約束

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  2. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…
  3. 2024-3-26

    【さくっと読める】ESGスコアとは。基本的知識を解説。

    今月から、サスティナビリティ情報開示で関心の高いテーマについて、さくっと読める解説コラムを発行して…

ピックアップ記事

  1. 2024-4-12

    BCG支援のVC、Bキャピタル、気候変動プラットフォームのリードへ向け新たな幹部を発表

    4月8日、マルチステージのベンチャー投資会社であるBキャピタルは、気候変動投資プラットフォームの拡…
  2. 日本、IFRSベースのサステナビリティ報告基準案を公表

    2024-4-11

    SSBJ(サステナビリティ基準委員会)、IFRSベースのサステナビリティ報告基準案を公表

    4月3日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は、IFRS財団の国際サステナビリティ基準委員会(…
  3. 2024-4-11

    ブラックロック、ESG政策を理由に1.3兆円の資産売却を決定したテキサス州を「無謀」とし、再考を促す

    3月21日、ブラックロックは、テキサス州教育委員会がエネルギー企業への「ボイコット」とESG投資慣…

アーカイブ

ページ上部へ戻る