投資大手BlackRock、インデックス顧客への議決権行使をオープン化

投資大手BlackRock、インデックス顧客への議決権行使をオープン化

6月13日、投資大手のBlackRock(ブラックロック)は、同社のインデックスファンドに投資している顧客に対して、委任状の議決権行使を自らコントロールする機能の提供を大幅に拡大すると発表。約5兆ドル(約670兆円)のインデックス株式のAUMの約半分に本プログラムを開放し、取り組みをさらに拡大する計画が明らかになった。

同社は昨年、米国と英国で運用されている年金基金、保険会社、企業などの一部の機関投資家を対象に、ブラックロック投票選択プログラムを導入した。

【関連記事】ブラックロック、投資家に委任状投票への参加機能を提供

今回のプログラム拡大により、英国ではより多くの機関投資家向けプールファンドに、カナダとアイルランドではプールファンドに議決権行使の選択肢が開かれる。

今回の拡充により、ブラックロックのインデックス株式資産4.9兆ドル(約657兆円)の47%が本プログラムに参加可能となる。また、米国年金制度の100%、ETF以外の欧州・英国インデックス株式資産の80%で議決権行使の選択が可能になる。

本プログラムには、以下3点が含まれる。
・機関投資家が独自のスチュワードシップ・プリファレンスを適用できるようにする(独自の議決権行使の専門知識とインフラを持つ大規模な企業を対象)
・特定のカテゴリー、セクター、市場について顧客が自分の希望を投票できるようにするハイブリッドアプローチ
・顧客が第三者委任状アドバイザーによる既製の投票ポリシーに従うことを認めるといったいくつかの投票オプションの提供。また、顧客は引き続きブラックロックに議決権行使の代行を依頼できる。

【参照ページ】
(原文)BlackRock Expands Voting Choice to Additional Clients
(日本語訳)ブラックロック、議決権行使の選択肢を追加顧客に拡大

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  2. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…
  3. 2024-3-26

    【さくっと読める】ESGスコアとは。基本的知識を解説。

    今月から、サスティナビリティ情報開示で関心の高いテーマについて、さくっと読める解説コラムを発行して…

ピックアップ記事

  1. 2024-4-18

    オーストラリア裁判所、グリーンウォッシュ訴訟でバンガードに有罪判決

    3月28日、オーストラリアの連邦裁判所は、バンガード・インベストメンツ・オーストラリアが、同社のE…
  2. 上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    2024-4-15

    上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    4月に発表した、投資データ・リサーチプロバイダーであるMSCIの新しいレポートによると、世界の上場…
  3. SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    2024-4-15

    SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    4月9日、科学的根拠に基づく目標設定イニシアティブ(SBTi)は、企業の環境持続可能な行動を気候変…

アーカイブ

ページ上部へ戻る