欧州理事会と欧州議会、EU全体のサイバーセキュリティとレジリエンスの強化について合意

5月13日、欧州理事会と欧州議会は、官民両部門およびEU全体の回復力と事故対応能力をさらに向上させるため、EU全体で高い共通レベルのサイバーセキュリティを実現するための措置に合意した。採択されれば、「NIS2」と呼ばれる新指令は、ネットワークおよび情報システムのセキュリティに関する現行の指令(NIS指令)に取って代わることになる。

NIS2は、エネルギー、運輸、健康、デジタルインフラなど、指令の対象となるすべてのセクターにおけるサイバーセキュリティのリスク管理対策と報告義務の基本を定めるものである。改正指令は、サイバーセキュリティの要件や加盟国ごとのサイバーセキュリティ対策の実施における乖離をなくすことを目的としている。そのために、規制の枠組みに関する最低限のルールを定め、各加盟国の関係当局間の効果的な協力のための仕組みを定めている。

次のステップとして、今回締結された暫定合意は、理事会および欧州議会の承認が必要となるという。理事会側では、フランス議長国が同協定を近日中に理事会常設代表委員会に提出し、承認を得る予定である。

【参照ページ】
(原文)Strengthening EU-wide cybersecurity and resilience – provisional agreement by the Council and the European Parliament
(日本語訳)欧州理事会と欧州議会、EU全体のサイバーセキュリティとレジリエンスの強化について合意

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る