Vanguard、約37兆円の資産をネット・ゼロの目標に整合

5月27日、世界最大級の資産運用会社であるVanguard(以下、バンガード)は、同社のアクティブ運用資産1.7兆ドル(約220兆円)のうち17%にあたる2900億ドル(約37兆円)を、2050年までにネット・ゼロ・エミッションを達成するという目標に沿って投資していることを発表した。

本発表は、2050年までに温室効果ガスの排出をネット・ゼロにするという目標を支援することを約束した資産運用会社の連合体「Net Zero Asset Managers initiative(NZAM)」に対するバンガードの取り組みの一環として行われたものだ。2020年12月の発足以来、273の資産運用会社が本イニシアティブに署名しており、61兆ドル(約8,000兆円)以上のAUMを代表している。バンガードは昨年初めにこのイニシアティブに参加した。
NZAMが提供した最新報告書では、資産運用会社がネット・ゼロ目標に向けた資産の計画・調整努力を開始する中で、イニシアティブ開始後18カ月間に浮上したいくつかのテーマについて議論し、主にパッシブ投資戦略中心の資産運用会社がネット・ゼロ調整への資産移行で直面している課題を浮き彫りにしている。

バンガードのAUMのうち、5兆ドル(約645兆円)以上はインデックス株式資産である。バンガードによると、アップデートにおいて、これらの資産は最初のNZAMコミットメントに含まれないとしながらも、インデックス株式資産の70%以上が、排出削減目標を公表している企業に投資されており、投資管理チームが、インデックスファンドで保有している企業の取り組みに関与していくという。

【参照ページ】
(原文)Vanguard commits $290 bln of assets to be net-zero by 2050
(日本語訳)Vanguard、2,900億ドルの資産をネット・ゼロの目標に整合させる

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  2. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…
  3. 2025-9-12

    カリフォルニア州、気候関連財務リスク報告の指針を公表

    9月2日、カリフォルニア大気資源局(CARB)は「気候関連財務リスク開示ドラフト・チェックリスト」…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る