5月25日、中国の謝振華気候変動特使は、世界経済フォーラムの「1t.org」イニシアティブ、「生態系の回復に関する国連10年」を支援するプラットフォームへの中国の積極的な対応を発表した。世界経済フォーラムと中国緑色基金は、中国で実施される貢献を積極的に反響・支援する予定である。本イニシアティブは、企業、個人、あらゆるレベルの地方政府を含む社会全体のステークホルダーが、2030年までに中国で700億本の木を植え、保全・回復・管理するための行動を約束することを奨励する。
1t.orgは、2年前の世界経済フォーラム年次総会で発足し、民間セクターを動員し、地域のマルチステークホルダー・パートナーシップを促進し、現場でのイノベーションとエコプレナーシップを支援することによって、自然ベースのソリューションに関する高まる機運をサポートすることを目的としている。
過去10年間で、中国は7,000万ヘクタール以上の森林を再生させた。生物多様性の保全、持続可能な利用、気候ガバナンスのソリューションから大きな恩恵を受け、湿地や森林の再生が進み、砂漠化との戦いにもなっている。
中国の第14次「5カ年計画」では、2025年までに森林被覆率を24.1%に、森林蓄積量を190億立方メートルに増加させるという目標が掲げられている。科学的根拠に基づく緑化努力と省庁間協力が、森林生態系回復の重要な手段となる。
「1t.org」への中国の積極的な対応は、パリ協定と2020年以降の生物多様性世界フレームワークを守るための、中国の能力と強いコミットメントを示すものだ。
中国の国土回復・植林プロジェクトは、2000万人を貧困から救うという中国の貧困削減目標を根本的に支えるものであり、すでに300万人が世帯収入の増加により生活が向上している。また、中国の戦略では、健康で回復力のある森林は、より良い生活品質に対する人々の期待の一部となる。中国の第13次5カ年計画の期間中、中国の森林観光産業は大きく成長し、年平均15億人の観光客が国有林を訪れている。
本イニシアティブに対する中国の積極的な対応は、すべてのステークホルダーが気候や自然に関する目標を達成するための解決策や活動の推進を促している。具体的には、企業や個人による排出削減政策、地方政府による植林や生態系回復などの気候適応活動の推進、科学団体やシンクタンク、市民社会による説明責任と信頼性のあるツールや評価枠組みの普及、イノベーションソリューションのためのデジタル環境とクラウドファンディング機会の創出、植林と炭素貯蔵のインセンティブ付与などが挙げられる。
【参照ページ】
(原文)China will aim to plant and conserve 70 billion trees by 2030 as part of the global tree movement
(日本語訳)中国政府、2030年までに700億本の植林 環境保全に貢献