フランス、史上初のインフレ連動型グリーンボンドを発行

フランス、史上初のインフレ連動型グリーンボンドを発行

5月25日、フランスの債務・資金管理機関であるAgence France Trésor(AFT)は、新たに40億ユーロ(約5,470億円)のグリーンボンド発行を発表した。今回の新債券、グリーンOAT(Obligations Assimilables Du Trésor)€i0.10% 25 July 2038 は、史上初のインフレ連動型ソブリングリーンボンドで、欧州消費者物価指数(タバコ除く)との調和により債券の価値がインフレから保護される仕組みになっている。

今回の募集は、フランスがソブリン・サステナブル・ファイナンス市場のパイオニアとしての地位を継続することを意味する。フランスは、2017年に70億ユーロ(約9,570億円)の初回発行を行い、ソブリンベンチマークグリーンボンドを発行した最初の国である。今回の募集を受け、現在までのグリーンOATの発行額は約500億ユーロ(約6兆8,000億円)に達している。

本債券は、フランスの「グリーンOATの枠組み」に基づいて発行され、グリーンボンドの募集による資金からの投資対象分野が詳細に規定されている。AFTは、今年のグリーンボンドによる支出は総額150億ユーロ(約2兆円)で、気候変動の緩和、気候変動への適応、生物多様性の保護、公害防止などの分野に投資されると述べている。

本債券に対する需要は非常に強く、オーダーブックは約270億ユーロ(約3兆7,000億円)と7倍近くもオーバーサブスクライブされた。今回の取引には220以上の投資家が参加し、割当額の半分以上がグリーン投資家に配分されている。

【参照ページ】
(原文)25 MAY 2022: LAUNCH OF THE NEW GREEN INFLATION-LINKED OAT€i 0.10% 25 JULY 2038 FOR AN AMOUNT OF €4BN
(日本語訳)2022年5月25日:インフレ連動型新グリーンオーツ0.10% 2038年7月25日、40億ユーロの金額で発売開始

関連記事

おすすめ記事

  1. 【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    2025-9-11

    【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    気候変動や自然資本など、環境領域に関する開示が進みつつある中、次なるテーマは「社会」の領域。TIS…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…

ピックアップ記事

  1. 2025-11-6

    CDPとTNFD、2025年質問票の対応マッピングを公開

    10月22日、CDPとTNFDは、CDP 2025年版企業質問票とTNFD開示推奨項目・指標との対…
  2. 2025-11-6

    ISSB、国際的なサステナビリティ開示の「グローバル・パスポート」構想を発表

    10月30日、ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)は、ロンドンで開催された「IFRSサステナ…
  3. TNFD・自然移行計画の5つの構成要素と先行事例/実践例の紹介

    2025-11-5

    TNFD・自然移行計画の5つの構成要素と先行事例/実践例の紹介

    ※2025年11月4日公開済みの記事にTNFDが発行した「Nature in transition…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る