欧州委員会、再生可能水素の規制枠組みに関する協議を開始

5月23日、欧州委員会は、2018年再生可能エネルギー指令の下で再生可能水素に適用されるEU規則を明確化する2つの委任法に関する協議を開始した。これらの文書が採択されれば、再生可能水素の規制枠組みに関する欧州委員会の提案全体が完成することになる。

最初の提案は、非生物起源の再生可能燃料(RFNBO)を対象とし、運輸部門の再生可能エネルギー目標を達成するために重要な「再生可能水素」カテゴリーに該当する製品の基準を定めている。

GHG削減の方法論に関する2つ目の提案は、再生可能エネルギー指令で定められた温室効果ガス排出削減の閾値を満たすために、再生可能水素および再生炭素燃料のライフサイクル排出量を計算する詳細なスキームを提示している。これらの文書は、6月17日までの4週間、公開協議のために開かれている。欧州委員会は、すべての市民と利害関係者に意見を提供するよう求めている。

協議終了後、欧州委員会は最終文書を欧州議会と理事会に提案し、理事会は2ヶ月間の精査期間を経て、欧州委員会が最終的に採択する。

EUの脱炭素化目標を支える水素の重要な可能性(ロシア産ガスの輸入依存からの脱却を目指すREPowerEUの目標によってさらに強化されている)を考えると、これらの委任法は、今後数年間で水素投資を促進するというEUの野心に沿ったものである。

しかし、水素製造は化石資源による発電を奨励する可能性があり、これは水素の気候面での利点とEUのエネルギー安全保障を強化する役割を損なうことになる。このため、欧州委員会は、再生可能な水素の発電量の増加が、それに見合った再生可能な発電量の増加と一致するようにするための要件も定めている。

【参照ページ】
(原文)Commission launches consultations on the regulatory framework for renewable hydrogen
(日本語訳)欧州委員会、再生可能水素の規制枠組みに関する協議を開始

関連記事

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-5-16

    EBA、EU域内銀行の気候リスク指数を初公開

    4月25日、欧州銀行監督機構(EBA)は25日、EUおよびEEA(欧州経済領域)域内の銀行セクター…
  2. 2025-5-16

    米国グリーンビルディング協会、持続可能な建築基準「LEED v5」を発表

    4月28日、米国グリーンビルディング協会(USGBC)はLEED(Leadership in En…
  3. 2025-5-14

    ニューヨーク市会計監査官、新たな排出削減基準を発表

    4月22日、ニューヨーク市会計監査官(Comptroller)のBrad Lander氏は、アース…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る