中小企業の持続可能性支援:EFRAGがVSME基準を発表

12月17日、欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)は、非上場中小企業向け自主的報告基準「VSME(Voluntary Sustainability Reporting Standard for SMEs)」に関する技術的助言を欧州委員会に提出したと発表した。

この基準は、CSRD(企業サステナビリティ報告指令)の義務対象外である中小企業向けに設計されており、持続可能な経済への移行を促進するため、グリーンファイナンスへのアクセスを支援することを目的としている。VSMEは基本モジュールと包括的モジュールで構成され、銀行や投資家、大企業からの情報要求に対応可能な構造となっている。

EFRAGは2024年1月から5月にかけて公開協議を実施し、得られたフィードバックをもとに基準を簡素化。11月13日に最終承認された。今後はデジタルツールやガイドラインを活用し、中小企業が基準を採用しやすくするための支援活動を進める予定である。

EFRAG SRBのパトリック・ドゥ・カンブール議長は、「VSMEは中小企業が直面する複雑なデータ要求を簡素化し、新たなビジネス機会と財務管理の洞察を提供するものだ」とコメントした。

【参照ページ】
(原文)EFRAG releases the Voluntary Sustainability Reporting Standard for non-listed SMEs (VSME)
(日本語参考訳)EFRAG が非上場中小企業 (VSME) 向けの自主的持続可能性報告基準を発表

関連記事

“CSAセミナー"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 【新着】EUDR簡素化が公表でどう変わる?最新動向と企業の対応ポイントを整理

    2025-4-17

    【新着】EUDR簡素化が公表でどう変わる?最新動向と企業の対応ポイントを整理

    EUにて2024年に導入が予定されていた森林破壊防止規則(EUDR)は、2025年12月への適用延…
  2. 2025-4-16

    IAGとマイクロソフト、最大規模のスコープ3持続可能航空燃料(SAF)契約を締結

    4月2日、インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)とマイクロソフトは、業界全体のライフ…
  3. 気候変動リスクを財務諸表にどう反映する? 開示のポイントと実務対応

    2025-4-15

    気候変動リスクを財務諸表にどう反映する? 開示のポイントと実務対応

    ISSB(国際サステナビリティ基準審査会)やSSBJ(サステナビリティ基準委員会)が気候変動リスク…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る