StoraEnso社・Tornator社・WWFフィンランド、淡水生態系の保全・保護のための協力関係を発表

5月6日、Stora Enso社、Tornator社、国際環境NGO世界自然保護基金(WWF)フィンランドは、フィンランドの淡水の状態を改善し、その種の保全と保護を目的とした3年間の協力関係を開始したと発表。3社は、 Tornator社が所有する地域で、適切な復元場所を特定する。Stora Enso社とTornator社の従業員は、WWFの専門家と共に、実践的なボランティア活動に参加する機会を得る。

3社は、共同修復作業を通じて、小川や川などの淡水の保全と復元、水生生物の生息環境の改善、そして道路の土手の下で水路として機能している暗渠などの移動障害の撤去を目指す。

自然の状態に近い小川は、森林や水生生物にとって重要な生息地である。回遊魚だけでなく、絶滅の危機に瀕している水生昆虫、コケ類、ザリガニ、ムール貝なども、流れのある水が必要だ。同時に、淡水の状態が改善されることで、多くの森林生物がその恩恵を受ける。

今回の新たな協力関係は、Stora Enso社がフィンランドで展開している生物多様性プログラムの一環だ。フィンランドでは、回復の可能性が最も高い小川は森林の中にある。そのため、フィンランド最大の私有林所有者である Tornator社と StoraEnso社が、今回の新たな取り組みでWWFと提携するのは当然ともいえる。

森林の生物多様性の管理は、 StoraEnso社と Tornator社の日々の森林経営において重要な役割を担っている。WWFフィンランドとの協力は、 StoraEnso社と Tornator社の生物多様性プログラムの一部となる。

本パートナーシップは、淡水の種や生息地を保護する必要性について、私有林の所有者の意識を高めることにもつながる。WWFは、プロジェクト終了後も森林所有者が自分の土地で復元作業を継続できるよう、移動の妨げとなるものの特定と除去に関する指示を提供する。

今回の新たなビジネス協力は、2030年までにフィンランドの小水域と淡水域の生態系を良好な状態にするために、淡水環境を改善するWWFフィンランドの長期的な活動の一環となる。

【参照ページ】
(原文)The linear economy is reaching the end of the line: business must adopt circularity to stay competitive
(日本語訳)直線的な経済が終焉を迎えつつある:競争力を維持するために、ビジネスは循環型システムを採用する必要がある

関連記事

おすすめ記事

  1. 【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    2025-9-11

    【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    気候変動や自然資本など、環境領域に関する開示が進みつつある中、次なるテーマは「社会」の領域。TIS…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…

ピックアップ記事

  1. 2025-11-6

    CDPとTNFD、2025年質問票の対応マッピングを公開

    10月22日、CDPとTNFDは、CDP 2025年版企業質問票とTNFD開示推奨項目・指標との対…
  2. 2025-11-6

    ISSB、国際的なサステナビリティ開示の「グローバル・パスポート」構想を発表

    10月30日、ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)は、ロンドンで開催された「IFRSサステナ…
  3. TNFD・自然移行計画の5つの構成要素と先行事例/実践例の紹介

    2025-11-5

    TNFD・自然移行計画の5つの構成要素と先行事例/実践例の紹介

    ※2025年11月4日公開済みの記事にTNFDが発行した「Nature in transition…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る