炭素回収スタートアップCarbon Clean、200億円を調達し、重工業の脱炭素化ソリューションの規模を拡大

5月11日、炭素回収ソリューションのプロバイダーであるCarbon Clean(以下、カーボンクリーン)は、重化学工業の脱炭素化ソリューションを拡大するため、シリーズC資金調達ラウンドで1億5千万ドル(約200億円)の調達を発表した。本資金調達は、CO2を排出源で捕捉・ろ過し、大気中への流入を防ぐ、点源型炭素捕捉のための過去最大の株式資金調達ラウンドとなる。

2009年に設立されたカーボン・クリーンは、セメント、鉄鋼、製油所、廃棄物エネルギーなどの難燃性産業向けのソリューションを提供しており、従来の炭素回収に比べて設置面積が10倍も小さい完全モジュール式の技術「CycloneCC」を開発した。カーボン・クリーンによると、このソリューションは、設備投資と運用コストを最大50%削減し、炭素回収のコストを平均で1トン当たり30ドル(約4,000円)にまで引き下げる可能性があるという。

カーボン・クリーンの会長兼CEOであるアニルダ・シャーマによると、同社は現在、2030年代半ばまでにギガトン規模のグローバルな産業界の脱炭素化を実現するための軌道に乗っているという。重工業は世界のGHG排出量の約30%を占めており、本資金調達により、同社は重工業向けの炭素回収ソリューションで世界をリードするプロバイダーとなる目標の達成につながる。

【参照ページ】
(原文)Carbon Clean raises $150m in record carbon capture funding round
(日本語訳)Carbon Cleanは、記録的な炭素回収資金調達ラウンドで1億5,000万ドルを調達

関連記事

“ランキングのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-3-14

    LEGO Group、リサイクル素材を使用した新タイヤパーツを導入し持続可能性を強化

    2月26日、LEGO Groupは、より持続可能な素材を活用した新たなLEGOタイヤの導入を発表し…
  2. 2025-3-13

    スタンダードチャータード、移行計画を公表、2050年ネットゼロと2025年の自社排出ゼロを目指す

    2月27日、スタンダードチャータード銀行(以下、スタンダードチャータード)は2025年2月27日、…
  3. グリーンウォッシングの実態と規制動向:企業の責任と消費者の視点

    2025-3-10

    グリーンウォッシングの実態と規制動向:企業の責任と消費者の視点

    グリーンウォッシングとは、企業がその環境への貢献を過大に展示したり、不実な環境反映情報を提供したり…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る