JPモルガン、2021年のサステナブル・ファイナンス活動を37兆円に拡大

3月29日、JPモルガン・チェースは、2021年のサステナブル・ファイナンス活動が大幅に拡大し、1年間で気候変動、地域開発、持続可能な開発のプロジェクトや取り組みを支援する2850億ドル(約37兆円)を融資・促進し、2020年から約30%増加したことを明らかにした。

サステナブル・ファイナンスの動員増加により、JPモルガンは2021年4月に発表した2兆5千億ドル(約322兆円)の10年間の持続可能な開発目標を前倒しで達成する見通し。JPモルガンはサステナブル・ファイナンスの進捗状況を、2021年ESGレポートの一部として報告した。

同レポートには、過去1年間のJPモルガンのサステナブル・ファイナンス活動の詳細が記載されている。2021年に動員された2850億ドル(約37兆円)のうち、持続可能な輸送、再生可能エネルギー、エネルギー効率のための350億ドル(約4兆5000億円)以上を含む「グリーン」イニシアティブのために1060億ドル(約13兆円)が促進され、企業や政府発行体のグリーンボンドの引き受け、電気自動車会社の資金調達とアドバイザリーサービス、新興再生エネルギー会社に対する融資などの融資活動が行われた。

開発金融活動は全体の 1,170 億ドル(約14兆円)を占め、途上国における教育、金融サービス、ヘルスケア、通信へのアクセス拡大など、持続可能な開発プロジェクトに資金を動員している。

またJPモルガンは、地域開発のために610億ドル(約8兆円)を融資・促進し、低・中所得者や黒人、ヒスパニック、ラテン系の個人やコミュニティに焦点を当て、持ち家や手頃な価格の住宅、小規模企業、ヘルスケアなどの分野を支援した。

【参照ページ】
(原文)2021 Environmental Social & Governance Report

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る