Nuveen、機関投資家に関する評価と見通しを調査した年次調査「Think EQuilibrium」を発表
3月24日、Nuveenは、機関投資家の主要な市場動向、リスク、課題、機会に関する評価と見通しを調査した年次調査「Think EQuilibrium」を発表した。今年の調査は、気候変動関連要因が投資家にとって主要なリスク・カテゴリーとして浮上している一方で、投資機会の源泉とする見方も強まっていることも示した。
本調査においてNuveenは、北米、欧州、中東、アジア太平洋地域の企業年金、公的/政府年金、保険会社、寄付金・基金、スーパー年金基金、政府系ファンド、中央銀行など、5億ドル以上のファンドを代表する世界の機関投資家とコンサルタント800名を対象に調査を実施した。回答者の55%は100億ドル以上の資産を持つ組織であった。
調査に参加した投資家は、気候変動リスクは今や投資家が考慮する最も重要な要因の一つであると回答している。5年間の時間軸で見た場合、気候変動リスクは、ポートフォリオを形成する可能性のある最も影響力のあるトレンドの一つとして、50%の投資家が挙げており、51%の「テクノロジー」に次いで、3位の「プライベートマーケット」の34%を大きく引き離している(複数回答可)。
また、「気候変動リスクは投資リスクである」という意見には、4分の3近く(71%)の回答者が賛成している。この結果に沿って、投資家はこれらのリスクに対応するために動員されており、79%がポートフォリオで気候リスクに取り組んでいる、または今後2年以内に取り組む予定であると回答し、72%がネット・ゼロのコミットメントを、80%が気候の目的とロードマップを、72%が気候目標を設定している。
投資家にとって、気候変動リスクへの対応が重要な課題であることは明らかであるが、 多くの投資家は、気候変動に関連する投資機会にも目を向けている。回答者の大多数(86%)は、低炭素経済への移行が新たな投資機会をもたらすと予想している。これは特に民間市場などの分野で顕著であり、民間インフラ投資家の73%が、今後2年間に割り当てを増やす投資先として、クリーンエネルギーを挙げている。
本調査のもう一つの重要な発見は、ESG投資がどの程度主流になっているかということである。現在、87%の投資家が、投資判断の際にESG要素を考慮すると回答している。ESGを組み込む主な要因は、風評リスク、ポジティブインパクト、リスク調整後リターンの向上、ステークホルダーからの圧力などである。データの質は依然としてESGの統合の障害と見なされているが、規制の変更や継続的なデータの強化が役立っている。
また、本調査は社会的要因が回答者の投資や自身の行動に影響力を持つようになってきていることも示した。回答者の52%が、投資家は投資の選択を通じて社会の不平等に影響を与えることができると考えており、49%が社会的投資に投資している、または今後2年以内に投資する予定であると回答している。投資可能なインパクトの機会としては、不平等に対処するコミュニティ・インフラ・プロジェクト、金融包摂に対処するフィンテック・イノベーション、多様性と包摂の取り組みに焦点を当てた投資、手頃な価格の住宅ソリューションなどが上位に挙げられている。回答者の4分の3以上が、自社のチームの多様性、公平性、包括性(DEI)の採用、定着、人材開発について明確な目標設定を実施している、または検討していると回答し、半数以上がDEI指標が管理者の選考プロセスに影響を与えていると回答している。
【参照ページ】
(原文)Think EQuilibrium
(日本語訳)Nuveen、機関投資家に関する評価と見通しを調査した年次調査「Think EQuilibrium」を発表