英TransitionZero、日本のアンモニア混焼・CCSなど石炭新発電技術に関する分析・評価レポートを発表

 

2月14日、英TransitionZeroは日本の石炭火力発電政策に関する分析・評価レポートを発表した。本レポートは、現在日本国内で検討・導入が進められている石炭新発電技術を技術と経済の両面から分析し、日本の政策立案者、電力会社、世界的投資家への戦略提供を目的としている。

本報告書で取り上げる石炭新発電技術とは、アンモニア混焼、石炭ガス化(IGCC)および二酸化炭素回収・貯留(CCS)を指しており、再生可能エネルギーが日本のエネルギー需要を満たす可能性も分析する。 Transition Zero は本分析により、日本の電力部門における石炭新発電技術の役割の見直しを望んでいる。

本レポートにおける分析の結果、日本の石炭新発電技術は電力部門における排出削減能力に限界があり、高コストであることが判明した。

Transition Zeroは、利害関係者がエネルギー移行におけるリスクとチャンスに対処できるよう、分析に基づいた以下のハイレベルな勧告を行っている。

  • 発電のためにアンモニア混焼が果たす役割の再評価
  • 「後悔のない」産業部門でのグリーンアンモニア適用の優先
  • 国内外の今後のエネルギー情勢におけるIGCCの役割の見直し
  • CCSへの投資と日本の少ない貯留用地に関する慎重な対応
  • 統合コスト削減のための統合化されたアプローチの採用
  • 短期的には新しい石炭新発電技術から成熟した再生可能エネルギーへの切り替え
  • 洋上風力発電の推進による顕著な潜在的再生可能エネルギーの活用と急勾配の学習曲線の実現

【参照ページ】
日本の石炭新発電技術

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