ネット・ゼロ・アセット・オーナー・アライアンス(NZAOA)は、2030年までにポートフォリオの排出量半減など、アライアンスメンバーのための一連の気候変動に関する目標設定プロトコル第2版を発表した。
NZAOAの目標設定プロトコル第2版は、地球温暖化を1.5℃未満に抑えるためのIPCCの道筋に沿って、アライアンスメンバーが科学的根拠に基づく排出量の目標を設定することを目的としている。
NZAOAプロトコルでは、2020年10月に発表された、2020年ベースで2025年までにポートフォリオの排出量を25~30%削減するという目標に加え、今回の更新では2030年までにポートフォリオの排出量を49~65%削減するという絶対的な目標が導入された。
新プロトコルでは、排出量削減目標の強化に加えて目標の対象となる資産クラスを拡大し、炭素集約型セクターのインフラ資産やメンバーが大きな影響力を持つ資産を対象に目標を設定するよう求めている。従来のプロトコルでは、株式、上場社債、不動産資産のみを対象としていたが、ソブリン債も対象とすることを検討しているという。
また委任状投票のガイドラインに加えて、2050年までに1.5℃およびネット・ゼロの目標に向けてポートフォリオを調整することを公約するなど、資産運用会社に期待される事項が定められたことに加え、企業のエンゲージメントや高排出セクターの排出量削減の目標設定、気候変動の緩和と適応に大きく貢献する経済活動や気候変動対策への資金提供の目標設定なども含まれている。
【参照ページ】
(原文)TARGET SETTING PROTOCOL SECOND EDITION
(日本語訳)NZAOA、ポートフォリオの排出削減など気候変動に関する目標設定プロトコルを発表