Eastman Chemical、フランスで約1,150億円を投じたプラスチックリサイクル施設の計画を発表
1月17日、化学および特殊材料のグローバル企業であるEastman Chemicalは、フランスのマクロン大統領との共同発表において、フランスに最大10億ドル(約1,150億円)を投資し、リサイクル困難なプラスチック廃棄物を年間最大16万トンリサイクルできる物質間分子リサイクル施設を建設する計画を発表した。
2025年までの稼働を予定しており、この施設は世界最大の分子リサイクル施設となる予定である。Eastman のポリエステル再生技術は、廃棄物を分子構成要素に分解して再利用し、従来のものと化学的に区別がつかない樹脂を製造する一方、廃棄プラスチックを埋立地から転用し、従来の製造方法に比べて温室効果ガスの排出を削減する。本プロセスは、通常焼却処分されるプラスチックをリサイクルし、継続的に再利用するための重要なソリューションとなる。この技術により、従来の方法よりも温室効果ガス(GHG)排出量を最大80%削減したプラスチックの生産が可能になる。
Eastmanは昨年、Estee Lauder、LVMH、P&Gなど、消費者重視の大手企業数社と製品パッケージ用に同社の分子再生プラスチックを調達する取り組みを発表している。 Eastman はEstee Lauder 、LVMH、P&G、Clarins、 L’Oréalが新施設からの複数年供給契約に関する意向書に署名したことを明らかにした。
新工場はEastman のサステナビリティ目標の達成に大きく貢献する。この目標には、2030年までに分子リサイクル技術によって年間5億ポンド以上のプラスチック廃棄物をリサイクルすることや、省エネルギーとGHG排出量削減を可能にする製品を提供するための技術革新が掲げられている。
10億ドルの多段階プロジェクトには、混合プラスチック廃棄物を処理用に準備するユニット、廃棄物を解重合するメタノール分解ユニット、特殊用途、包装用途、繊維用途のさまざまな第一品質の素材を作るポリマーラインが含まれる予定である。
また、 Eastmanはプラスチック廃棄物の焼却を抑制し、化石原料を地中に残すための代替リサイクル方法とアプリケーションを推進する分子リサイクルに関するイノベーションセンターを立ち上げる計画も発表した。同社によると、このイノベーションセンターは循環型経済におけるリーダー的役割を維持するためのものであるという。
【参照ページ】
(原文) Eastman to invest up to $1 billion to accelerate circular economy through building world’s largest molecular plastics recycling facility in France
(日本語訳)Eastman、フランスで10億ドルのプラスチックリサイクル施設の計画を発表