1月12日、 Investor Agendaは、より多くの機関投資家が気候変動対策に取り組むよう、投資家向け気候変動対策(ICAP)のベストプラクティスに焦点を当てた一連のケーススタディを発表した。
ケーススタディに登場するのは、アリアンツ(ドイツ)、アウェア・スーパー(オーストラリア)、CalSTRS(米国)、キャセイ・フィナンシャル・ホールディングス(台湾)、FAMA Investimentos(ブラジル)、IFM Investors(オーストラリア)、ミライ・アセット・グローバル・インベストメント(韓国)、PensionDanmark(デンマーク)、三井住友トラスト・アセットマネジメント(日本)およびUniSuper(オーストラリア)など5大陸の10社で、これらの投資家は、投資家による気候変動対策(ICAP)のベストプラクティスを紹介している。
ケーススタディでは、彼らの気候変動対策計画が、2021年5月に発表されたインベスター・アジェンダのICAPs Expectations Ladderで説明された行動の一部または全てとどのように整合しているかが詳細に説明されている。このフレームワークは、ICAPsに対する明確な期待を定めており、投資家が気候変動へのコミットメントを実現し、2050年またはそれ以前にネットゼロエミッション経済という世界目標を支援するためのステップも含まれている。
ICAPs Expectations Ladder は、投資家アジェンダの4つの連動した分野(投資、企業参画、政策提言、投資家情報開示)における行動を求めており、ガバナンスはすべての分野にまたがる横断的なテーマとなっている。
このケーススタディは、現在、運用資産60兆ドル近くの271以上の資産運用会社や資産家が、「Net Zero asset managers Initiative」や「Paris Aligned Investment Initiative」を通じてICAPsの発行を約束しており、これらはいずれも「投資家アジェンダ」と国連の「ゼロへの競争」キャンペーンに支持されているものである。国連が招集したネット・ゼロ資産家連盟の資産家は、ICAPsの枠組みに沿った行動を取ることを約束している。
各国政府も、ネット・ゼロの未来への移行に関して、投資家が持つ独自の力を認めており、2021年11月のCOP26で、英国政府は、資産運用会社、規制対象資産家、上場企業に対し、英国の2019年ネット・ゼロ公約を考慮した移行計画の公表を義務付けるという大胆な発表をした。
【参照ページ】
(原文)INVESTOR AGENDA HIGHLIGHTS BEST PRACTICES FROM LEADING GLOBAL INVESTORS
(日本語訳)Investor Agenda、機関投資家に向けた気候変動対策に関するケーススタディを発表