インパクト・タスクフォース、政府に対し情報開示強化を提言

12月13日、英国がG7議長国として発足したインパクト投資推進NGOインパクト・タスクフォース(ITF)は、ポジティブな社会的および環境的インパクトを与えることを目的とし、各国政府に対し企業の情報開示強化を提言する報告書を発表した。

今回の提言では、調和された基準での会計処理の義務化による透明性と完全性の重要さの認識、国際財務報告基準(IFRS)の取り組みへの支援、資金ギャップが最も大きい新興国を中心に機関投資家に適した投資ビークルの供給増加、気候変動での「公正な移行」において「気候・環境対策の推進」「社会経済的分配と公平性の向上」「コミュニティの声の増大」の3要素を提示し官民が連携して貢献することを掲げた。

また、インパクト・タスクフォースは、大企業が専門性を活かして中小企業を長期的により良い情報開示へと導くことを推奨。インパクト評価に関する新たな取り組みを推進するため官民の協力を要求しており、企業の影響と利益が有意義に比較できるようになることで、影響評価と開示プロセスの整合性を向上させる。

今回の提言は、タスクフォースの2つの相互依存的なワーキンググループの成果である。ワークストリームAでは、インパクトの測定と報告における透明性、調和、誠実さに焦点を当て、ワークストリームBでは、人々と地球のニーズに取り組むために資本を大規模に動員する政策と投資手段の開発に焦点を当てている。

【参照ページ】
Impact Taskforce calls on G7 to take urgent action to mobilise more institutional capital for a just and inclusive transition to net zero

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る