12月17日、欧州保険・職業年金機構(EIOPA)は、監督官庁、産業界、消費者団体、学界の代表者を集め、持続可能性リスクに対する社会の回復力、保険会社や年金の役割などEIOPAの取り組みについて話し合う、第5回持続可能金融ラウンドテーブルを開催した。
その中でEIOPA は自らの業務のあらゆる分野に持続可能な金融を統合するための3カ年計画を発表した。2022年から2024年にかけて、EIOPAはその主要な活動領域を定義している。
EIOPAは、保険会社や年金基金の持続可能性リスクの統合を進めるため、ソルベンシーⅡにおける気候変動リスクの監督報告に関する提案の策定、環境・社会的目標に関連する資産・活動のソルベンシーⅡにおけるプルデンシャルな取り扱いの分析などを行う。また、EIOPAは、損害保険商品に気候変動に関連する適応策を組み込んだ場合の引受慣行や取り扱いについて報告する。
さらに、EIOPAは持続可能金融開示規則やタクソノミ規則に基づく開示に関するガイダンスの提供、保険販売プロセスにおける持続可能性関連条項の適用、グリーンウォッシュへの対応策に関する欧州委員会への助言を通じて、持続可能性の開示と持続可能な事業活動の枠組みも促進していく。
持続可能な金融は、引き続きEIOPAの優先事項の一つである。EIOPAの活動の焦点は、引き続きエビデンスに基づくものであり、社会のリスクの大部分を管理し、重要な長期投資家である保険会社や年金基金が、気候変動がもたらすリスクの軽減と適応においてその役割を強化できるよう支援するものである。同時に、これはより持続可能で強靭な経済への移行を支援するものである必要がある。
【参照ページ】
(原文)Sustainable finance roundtable: EIOPA announces its sustainable finance activities for the coming three years
(日本語訳)サステイナブル・ファイナンス・ラウンドテーブル EIOPA、今後3年間のサステナブルファイナンス活動を発表