シンガポール通貨監督庁(MAS)、グリーンファイナンス拡大に向けたESG投資の情報開示基準を公表

9月8日、シンガポール通貨監督庁(MAS)のラヴィ・メノン長官は基調講演において、グリーンファイナンス拡大に向けたESG投資における情報開示基準の導入を明らかにした。

同長官は、グリーンファイナンス拡大への課題として「データ(Data)」「定義(Definition)」「情報開示(Disclosure)」の3つの「D」を挙げた。またデータに関しては将来の削減目標も重要であると延べ、定義に関してはASEANタクソノミーをASEAN諸国と開発することを表明した。

今回発表した情報開示基準は主にリテールファンド向けであり、銘柄選定基準や投資プロセス、ESG戦略に関するリスクや制約等の情報開示も盛り込む。

また10月よりMASは「サステナビリティ・グループ」を創設する。最高サステナビリティ責任者(CSO)のもと、サステナブルファイナンス政策を強力に推し進めるねらいだ。

【参照ページ】
(原文)“What We Need to Do to Make Green Finance Work” – Keynote Speech by Mr Ravi Menon, Managing Director, Monetary Authority of Singapore, at Financial Times Investing for Good Asia Digital Conference on 8 September 2021
(日本語訳)“グリーンファイナンスを機能させるために必要なこと” – 2021年9月8日に開催されたFinancial Times Investing for Good Asia Digital Conferenceでのラビ・メノン氏(シンガポール金融庁長官)による基調講演

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