6月6日、国総研(国土技術政策総合研究所)は、インフラ分野における温室効果ガス(GHG)排出削減効果を定量的に評価するため、「インフラ分野における建設時のGHG排出量算定マニュアル案」を作成し、公表した。
2050年カーボンニュートラルを目指し、インフラ分野ではグリーントランスフォーメーション(GX)に取り組んでいる。しかし、建設工事に関する技術や工法によるGHG排出削減効果の評価手法は統一されておらず、適切な評価基準が不足していることが課題となっていた。
国総研が作成した「インフラ分野における建設時のGHG排出量算定マニュアル案」は、施工段階で発生するGHG排出量及び脱炭素技術によるGHG排出量削減の算定方法について統一的な考え方を示している。これにより、建設現場での脱炭素技術の効果を定量的かつ一貫して評価することが可能となる。
今後は、本マニュアルの試行及び排出原単位のデータベースの整備を進めることで、脱炭素技術による効果が適切に評価される仕組みを構築していく。これにより、建設施工における脱炭素化が一層促進されることが期待される。
また、原単位とは、材料等の単位当たり温室効果ガス排出量を指している。本マニュアルでは、この排出原単位のデータベースも整備し、脱炭素技術の評価に役立てることを目指している。
国総研の取り組みは、建設業界全体の脱炭素化を進める上で重要なステップとなり、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた大きな一歩となる。