1月19日、TBMは、世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)にて、カーボンリサイクル技術を使用した「次世代LIMEX」を発表した。
従来のLIMEXは、豊富で枯渇リスクの少ない石灰石由来の炭酸カルシウムを使うことで、石油由来のプラスチックの使用量やライフサイクル全体でCO₂排出量を減らせるプラスチックの代替素材として、また、水の消費量を減らせる紙の代替素材として採用されている。次世代LIMEXは、石灰石由来の炭酸カルシウムに代わり、排ガス由来のCO₂と、工場から排出されるカルシウム含有廃棄物を低環境負荷のプロセスで化学合成した、カーボンネガティブが見込まれる炭酸カルシウム(CCU炭酸カルシウム)を主原料としている。
次世代LIMEXの開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「地域に眠る技術シーズやエネルギー・環境分野の技術シーズ等を活用したスタートアップの事業化促進事業」に採択されている。また、東北大学とも共同研究を実施してきた。今回、世界経済フォーラムの「Unicorn Community (ユニコーン・コミュニティ)」の一員として参加したダボス会議にて、次世代LIMEXのプロトタイプとなる射出成形製品や、シート製品の試作品を発表した。
同社はまた、Greenore Limited及びGreenoreのグループ会社と、Greenoreが開発したLCA(環境影響評価)において、次世代LIMEXの開発及びCCU炭酸カルシウム普及に向けた業務提携を行うことで合意した。TBMがLIMEXの素材開発で培った技術と、Greenoreが開発したCCU技術を組み合わせることで、環境負荷を抑えたカーボンリサイクル製品の普及・拡大を目的としている。
TBMは、今回発表した次世代LIMEXの量産を目指すと同時に、副原料である樹脂部分を従来の石油由来のものではなく、植物由来の樹脂やリサイクル樹脂を使うことで、さらに環境負荷を低減した素材の開発を推進していくと述べた。
【参照ページ】
ダボス会議にてカーボンリサイクル技術による低炭素素材「次世代 LIMEX」を発表
環境配慮型素材「LIMEX」を手掛けるTBMとカーボンリサイクル技術を有するGreenore、CCU炭酸カルシウムの普及に向けた業務提携契約を締結