豊田通商、再エネ事業の最大化のためSBエナジー株式の85%を取得

 

2月9日、豊田通商とソフトバンクグループ(SBG)は、両社および両社グループ各社の再生可能エネルギー事業のシナジーを最大化することを目的として、豊田通商がSBG子会社であるSBエナジーの株式の85%を取得することを合意した。

本取引の完了後、SBエナジーは豊田通商の子会社(持株比率85%)、SBGの関連会社(持株比率15%)となる。また、豊田通商およびSBGは、カーボンニュートラルの実現に向けて、両社グループ会社間での再エネの共同開発や電力需給調整事業など、再エネ事業における協業の検討を行う。

豊田通商は、中期経営計画において、「再生可能エネルギー戦略」を重点分野に位置づけており、子会社で国内最大の風力発電事業者の株式会社ユーラスエナジーを核に、国内外で再エネ事業を積極的に展開している。国内外で、風力3,055MW、太陽光350MWなど、約3,701MW(2022年12月時点)の再エネ発電容量であり、エネルギーマネジメントやバーチャルパワープラント(VPP)実証を行うなど、再エネ事業を活用した新規事業にも取り組んでいる。

また、豊田通商グループは、2021年7月、2030年までに2019年比で温室効果ガス(GHG)排出量50%削減、2050年までにカーボンニュートラルを実現する目標を公表し、同年11月には、「カーボンニュートラルロードマップ2030」を策定しており、産業ライフサイクルを通じて、GHG削減に資する事業を積極的に拡大している。

SBGは2011年3月11日に発生した東日本大震災をきっかけに同年10月にSBエナジーを設立し、国内では太陽光667.1MW、風力55.9MWなど計773.0MW(2023年1月時点)を建設・運営してきたほか、海外ではモンゴル・ゴビ砂漠で50MWの風力発電所を建設するなど、安心・安全かつ永続的に供給可能な再エネの普及促進に向けたモデルケースを作るとともに、国内外で再エネの導入量増加に貢献してきた。

また、VPP事業をはじめとしたエネルギープラットフォーム構築事業を行う「Bits」事業、EVのバッテリーや定置用電力貯蔵システムと再エネの組み合わせによるエネルギーのタイムシフトを通じた新たなビジネスモデルの構築事業を行う「Mobility」事業など、豊田通商グループとも親和性の高い、先進的な事業を展開してきた。さらに、ソフトバンクグループはSB Energy Global Holdings Limitedを通じて米国での発電事業を行っているほか、傘下のファンドを通じて再エネに関連するテクノロジー分野への投資を行っている。これらの取り組みや、このたび検討を開始する両社グループ会社間での協業などを通じ、「2030年度カーボンニュートラル達成」をグループ目標として脱炭素社会の実現を目指すとともに、今後も再エネ分野のテクノロジーの進化に取り組んでいく。

SBエナジーが豊田通商の傘下となることで、豊田通商グループは、風力に加えて、太陽光でも国内最大規模の発電事業者となる。SBエナジーが有する「Bits」事業でのVPPを中心とした電力の需給調整機能、「Mobility」事業で取り組む安定した再エネ電力の需要創出、SBエナジー投資先の最先端技術の活用によって、さらなる再エネの普及促進と多岐に渡る市場ニーズに応えることが可能になる。これにより、国内外で再エネ導入量をさらに拡大していくとともに、市場ニーズに応える再エネを活用した新規事業の創出・再エネ分野のテクノロジーの進化を加速することで、カーボンニュートラルの取り組みを進めていく。

【参照ページ】
(原文)豊田通商がSBエナジー株式の85%を取得〜両社グループの再生可能エネルギー事業のシナジーを最大化しカーボンニュートラルの取り組みを加速〜

関連記事

“ランキングのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2024-12-11

    ユニリーバがNufarmとサステナブルなオイルの生産を加速

    11月26日、ユニリーバはオーストラリアの化学メーカーであるNufarmとのパートナーシップを発表…
  2. SSBJ基準案へのFAQ解説:サステナビリティ開示準備ガイド

    2024-12-10

    SSBJ基準案へのFAQ解説:サステナビリティ開示準備ガイド

    SSBJが新基準案を発表し(2024年3月)、企業のサステナビリティに関連する情報開示の制度化が進…
  3. 2024-12-6

    金融庁、「記述情報の開示の好事例集2024(第1弾)」を発表:サステナビリティに関する開示を強化

    11月8日、金融庁は「記述情報の開示の好事例集2024(第1弾)」を公表した。本事例集は、企業がサ…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る