出光興産、2023年〜2025年度の中期経営計画を策定。 化石燃料収益比率50%以下を目標

 


11月16日、出光興産は新たに2050 年ビジョンを策定し、2050 年のカーボンニュートラル社会の実現に向け、様々なステークホルダーと連携しながら体制やシステムの構築を推し進めると発表した。

同社は2050 年までに、自社操業に伴う排出量(Scope1+2)のカーボンニュートラルを目指す。そのための中間目標として、2030 年時点の GHG の排出削減量の目標を 2013 年比約 730万トン、46%の削減を実現することで、2050 年の当社のカーボンニュートラル実現への道筋を具体化していく。

同社は本中計において新たに3つの事業領域を定義し、それぞれの領域の社会実装を進めることで事業ポートフォリオ転換を推進する。
一歩先のエネルギー(多様で地球環境に優しいカーボンニュートラルエネルギーの安定供給)
 カーボンフリーアンモニア、カーボンフリー水素、製油所・事業所の CNX センター化など
多様な省資源・資源循環ソリューション(産業活動・一般消費者向けのカーボンニュートラルソリューション)
 電化・電動化ソリューション、バイオ・ライフソリューション、ICT ソリューションなど
スマートよろずや(地域の暮らしを支えるエネルギー&モビリティ拠点)
 多様なエネルギー・モビリティサービス(超小型 EV、EV 充電・メンテナンス、MaaS など)

2030年は、既存のエネルギーと素材の安定供給責務を果たしながら、2050 年カーボンニュートラルに向けたトランジションの一部が具現化する時期(転換期)と位置付け、更なる利益成長や資本効率性を追求しながら、化石燃料収益比率については 50%以下を目標とする。

同社は2030 年ビジョン「責任ある変革者」実現に向けて、現中期経営計画で掲げた3つの基本方針に基づき以下の取組みを実行する。
ROIC 経営の実践による事業ポートフォリオ転換
・既存事業の資本効率化、カーボンニュートラルに資する新規事業拡大により ROIC 目標 7%を目指す
・2030 年までに累計 1 兆円規模の事業構造改革投資を実行
従業員の成長・やりがいの最大化
・人財戦略の KPI を設定し進捗管理を行う
ビジネスプラットフォームの進化
・DX 戦略に加え、業績連動報酬の比率引上げ、財務/非財務目標の反映などガバナンスの進化にも取り組む

【参照ページ】
中期経営計画(2023~2025 年度)の策定について

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