10月31日、農林中央金庫と、株式会社サンケイビルは、サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)による金銭消費貸借契約の締結を発表した。
SLL は、借り手の経営戦略に基づくサステナビリティ目標と連携したサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPTs)を設定し、貸付条件と SPTs の達成状況を連動させることで、借り手に目標達成に向けた動機付けを促し、環境・社会の面から持続可能な事業活動および成長を支援することを目指すものである。
サンケイビルは、「都市生活者が、喜び、満足し、感動し、幸せになる場やサービスを提供し、社会に貢献する企業グループを目指す」という企業理念のもと、人々の暮らしを支える働く場所や住まい、寛ぎの空間の提供に取り組んできた。今後も、サステナビリティに配慮した適切な事業活動を推進するとともに、不動産デベロッパーの能力を活かし、ステークホルダーと協働していくという。今回、持続可能な社会の実現に向けた具体的な取組みの一つとして、SLL に取り組むこととになった。
農林中央金庫は、自らの存在意義(パーパス)を「持てるすべてを「いのち」に向けて。ステークホルダーのみなさまとともに、農林水産業をはぐくみ、豊かな食とくらしの未来をつくり、持続可能な地球環境に貢献していきます」と定めている。また、2021 年5月に公表した中長期目標のなかで、2030 年までにサステナブル・ファイナンスの新規実行額を 10 兆円とする目標を掲げるなど、サステナブル経営の実践を目指している。そのうえで、同金庫はサンケイビルの企業理念にも共感しており、本件ローンによる資金供給を通じて当社の取組みを後押しし、同金庫の基盤となる農林水産業との関連が大きい気候変動問題をはじめとした環境・社会課題の解決に貢献していくことを目指す。
サンケイビルは、サステナビリティに向けた重要な取組みの一つとして脱炭素社会への貢献を掲げており、本件のSPTs ではサンケイビルが掲げる脱炭素目標「CARBON HALF」(2030 年度までの Scope1・2 の CO2 総排出量 50%削減(2013 年度比))の実現に向けた中間目標の達成状況を対象として設定している。
本ローンの契約締結にあたっては、SLL 原則への準拠性や、設定した SPTs の合理性について、株式会社格付投資情報センターより第三者意見を取得しており、上記 SPTs については、野心度および有意義性等の観点から SLL 原則に適合していると評価されている。