サステナクラフト社、国立環境研究所、一橋大学が、質の高い森林由来のカーボンクレジット創出に向けた共同研究を開始

8月10日、株式会社sustainacraft(サステナクラフト)、国立研究開発法人国立環境研究所および国立大学法人一橋大学は、質の高い森林由来のカーボンクレジット創出に向けた共同研究の開始を発表した。

2020年10月、日本政府は「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言し、2021年4月には2030年の温室効果ガス排出量を2013年度比で46%削減する目標を表明した。政府は本目標の実現に向けて、脱炭素投資を加速している。

持続可能な森林保全の取り組みとして、温室効果ガスの排出削減効果を取引できるカーボンクレジットが世界規模で注目を集めており、その評価の精緻化が喫緊の課題となっている。これらの動きを受け、サステナクラフト、国立環境研究所、一橋大学は、森林由来のカーボンクレジットの供給量と透明性向上に向けて、共同研究に取り組むこととなった。

本研究は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)における2022年度の「研究開発型スタートアップ支援事業/地域に眠る技術シーズやエネルギー・環境分野の技術シーズ等を活用したスタートアップの事業化促進事業」に採択された。

本共同研究ではのテーマについて研究を進める。

  • 助成事業の名称:森林カーボンクレジットの供給量及び透明性向上に向けた技術開発
  • 共同研究の内容:
    ・樹種が多様で複雑な階層構造を持つ熱帯雨林を対象とした地上部バイオマス推定
    ・地球観測データと時空間モデルを融合した地上の生物多様性推定
    ・新規政策導入などのプロジェクト外の影響分析やプロジェクトによる負の外部性の評価など頑健なプロジェクト評価手法の開発


本研究では、森林や生物多様性など環境分野で長年の研究実績を持つ国立環境研究所の生物多様性領域の専門家と、社会科学を基盤とするデータサイエンス領域における教育研究の推進を目的として設置された一橋大学ソーシャル・データサイエンス教育研究推進センターの時空間統計研究の専門家の知見に、工学や経済学の博士号をもつ技術者に加え国際開発や事業開発の専門家で構成されるサステナクラフトの社会実装力を掛け合わせることで、海外機関を巻き込みながら、自然資源への炭素貯留量や生物多様性の推定、及び森林保全・再生プロジェクトの効果分析にまつわる技術課題を研究する。本プロジェクトを契機として、実社会・学術両面における継続的な共同研究体制を築いていくという。

【参照ページ】
サステナクラフト、国立環境研究所、一橋大学が質の高い森林由来のカーボンクレジット創出に向けた共同研究を開始〜NEDOの研究開発型スタートアップ支援事業に採択〜

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