日本、20兆円の「GX経済移行債」発行を検討

日本、20兆円の「GX経済移行債」発行を検討

5月19日、岸田文雄首相は、日本の脱炭素化およびクリーンエネルギー移行目標を達成するための大規模な投資の一環として、20兆円規模の「GX(グリーントランスフォーメーション)経済移行債」(仮称)を発行する計画の概要を発表した。

日本は、2050年までに温室効果ガスを46%削減する2030年中間目標を掲げ、ネット・ゼロ・エミッションの達成を約束している。昨年、政府は、2030年までにエネルギーミックスに占める再生可能エネルギーの割合を20%未満から36%〜38%にほぼ倍増させる計画を発表した。

近頃の政府の試算では、国の脱炭素化目標を達成するためには、今後10年間で150兆円以上の官民投資が必要である。

岸田首相は、クリーンエネルギー戦略を議論するエネルギー専門家との会合で、今後10年間の投資ロードマップの提供を約束した。また、20兆円の政府支援が必要であると予測し、民間投資を促進するために政府のコミットメントを示すために、事前の資金調達を約束した。

首相によると、本計画は、ロシアのウクライナ侵攻により、エネルギー安全保障の強化や化石燃料の輸入依存からの脱却の必要性が強調されるようになったためである。

首相はまた、炭素排出量にコストを導入するカーボンプライシングの実施検討についても言及し、クリーンエネルギー移行への資金源として活用する可能性もあるとした。

政府はこの夏、グリーン移行と資金調達計画をさらに発展させるための委員会の設置を目指している。

【参照ページ】
「クリーンエネルギー戦略」に関する有識者懇談会

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. 2025-7-10

    EUタクソノミーの簡素化で企業の負担軽減へ―欧州委、報告義務緩和を採択

    7月4日、欧州委員会は、EU共通の分類基準であるEUタクソノミーに関する一連の簡素化措置を採択した…
  3. 2025-7-9

    ISSB、SASB基準の包括的見直し案を公表

    7月3日、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は、SASB基準の改訂案およびIFRS S2実…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る