住友商事の「輸入バイオマス発電」、ESGリスクに投資家が懸念

9月8日、森林・生物多様性や気候変動の問題に取り組むNGO・市民団体5団体は、住友商事が関与しているバイオマス発電事業に対し、投資家が懸念を抱いているとの調査結果を発表した。

ウータン・森と生活を考える会、Mighty Earth、プランテーション・ウォッチ、熱帯林行動ネットワーク(JATAN)、Fair Finance Guide Japan、Fridays For Future Sendaiの6団体は、住友商事が出資している仙台港バイオマスパワー合同会社によるバイオマス発電事業について、温室効果ガス(GHG)排出による気候変動への悪影響、燃料調達時の森林と生態系破壊、及び地域住民の生活への影響を強く懸念している。

6団体は、住友商事に投融資していると想定される日本国内の機関投資家・融資機関36社に対し、 バイオマス発電事業から撤退するよう住友商事にエンゲージメントを行うと共に、改善が見られない場合は同社からの投資撤退(ダイベストメント)を行うことを要請した。今回は、その回答結果をまとめ、発表した形。

日本国内の金融機関36社のうち、6社が住友商事に対するESGエンゲージメントを実施済みまたは実施予定と回答した。また、18社は自社で策定した、または加盟しているESGに関する方針・計画・イニシアティブ等に基づいて行動していくと回答した。

本事業と同様に、FIT制度(固定価格買取制度)で認定されたバイオマス発電事業は日本全国に700以上あり、輸入燃料に依存する大規模なバイオマス発電事業は200を超える。6団体によると、これらの発電所が稼働すれば、莫大な温室効果ガス排出により気候変動が加速し、バイオマス発電の燃料となる木質ペレット生産地である北米をはじめ、世界の森林の減少・劣化を招き、生物多様性が脅かされる危険性が高まるという。

同団体は、金融機関に対して、住友商事の仙台港での輸入バイオマス発電事業を見直すよう住友商事に対してエンゲージメントを行うことを引き続き求めていく。同時に、他の輸入木質バイオマス発電事業者に対しても、同様のエンゲージメントを行うことを要請する。また、今回の要請に回答が無かった金融機関に対しては、NGOとの対話を重視し、今後対話を実施するよう求めていくと述べている。

【参照ページ】
莫大な温室効果ガスを排出する住友商事の仙台「輸入バイオマス発電」事業のESGリスクに投資家が懸念〜金融機関36社中8社とNGOが対話を実施、6社は住友商事へのエンゲージメントを実施または予定と回答〜
住友商事株式会社に対してESGエンゲージメント強化及び投資撤退を求める要請書

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