10月10日、金融庁は金融審議会「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ」(第4回)(以下WG)を開催し、サステナビリティ開示基準の導入とサステナビリティ情報の保証制度についての議論が行われた。
当該WGはサステナビリティ情報の信頼性の確保を望む声を受け、金融審議会において2月に設置された。日本においてサステナビリティ開示基準や保証制度を導入するために、法改正を視野に入れた、有識者による検討を行っている。第3回は6月28日に行われた。
まず、サステナビリティ開示基準の導入について主に以下の3点が示された。
- 基準適用初年度における経過的措置として二段階開示を認め、有価証券報告書の訂正による方法を採用する
- CSRD等の海外サステナビリティ開示基準に関する免除事項に対応するための具体策
- 海外向け開示を行う際に日本でも同様の情報が得られるように開示を行える制度を用意する
また、セーフハーバー(特定の状況下、または一定の条件などの基準を満たした場合には、違反や罰金の対象にならないとされる範囲)を導入する方針についても示された。セーフハーバーに関しては、開示ガイドラインを改正して解釈を明確化するという方針で設定される。具体的には、Scope3排出量開示において、企業が統制外の第三者から取得したデータや見積りが誤りであっても、適切な検討や説明が行われ、合理的範囲内なら虚偽記載の責任を負わないとすべきとする方針が示された。また、開示ガイドライン改正のほかにも、虚偽記載等に対する企業の責任の範囲を明確にする観点から必要ないくつかの情報開示をすることでも対応する。
また、保証制度の方向性については、企業等の準備期間を考慮し、時価総額3兆円以上のプライム市場上場企業から段階的に導入する案を基本線としつつ、国内外の動向、保証に関する検討状況等を注視しながら柔軟に対応していくとの方針が示された。
当該WGでは、サステナビリティ開示基準の導入・保証制度の方向性について、資料にて示された具体案等について、専門家による議論が行われた。
【参照ページ】
(原文)金融審議会「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ」(第4回)議事次第