WWFジャパン、ネイチャーポジティブ実現へ政策強化を提言 国家戦略と国際目標のギャップ指摘

2月26日、WWFジャパンは、生物多様性国家戦略(NBSAP)と国内政策の強化を求める「政策ブリーフ」を公表した。2030年までに自然の損失を止め回復へ転じる「ネイチャーポジティブ」を掲げる昆明・モントリオール生物多様性枠組(KMGBF)を踏まえ、日本の政策と国際目標の整合性を整理したものである。2026年10月にアルメニアで開催予定の生物多様性条約COP17では、各国の進捗を評価するグローバルレビューが実施される予定であり、日本政府もNBSAPの実施状況をまとめた国別報告書を条約事務局へ提出している。
背景として、環境省の評価では、日本の生物多様性は過去50年間にわたり損失が継続しており、人為的な影響を受けていない自然植生は国土の約20%にとどまる。また、世界的指標である「生きている地球指数(LPI)」は1970年以降平均73%減少しており、自然環境の劣化が続いている状況が示されている。
同ブリーフでは、KMGBFの23ターゲットと日本の国家戦略の関連性を整理した結果、国際目標との整合性が高い項目は10件にとどまり、多くは中程度または低い整合性に分類されたと指摘した。さらに、日本の資源・食料の輸入構造を通じた海外への自然影響、政策の分野別・縦割り構造、資金の流れの転換などが課題として挙げられている。
主要な政策論点として、海外フットプリント削減、気候変動対策と生物多様性の統合、農林水産業の転換、30by30の質向上、野生生物との共生の5分野を提示した。30by30については、2025年8月時点で陸域の21.0%、海域の13.3%が保護区またはOECMとして位置づけられているとした。
また、UNEPの推計として自然に有害な資金の流れは年間7.3兆米ドルに上り、自然に基づく解決策(NbS)への投資額の約30倍に相当することを示し、資金の流れを自然保全へ転換する政策の必要性を強調した。
(原文)ネイチャーポジティブに向けて生物多様性国家戦略と国内政策の強化を求めるWWFジャパン『政策ブリーフ』を公開
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