G7企業、ネットゼロ推進を継続 表現見直しで対応、BSI調査

4月14日、BSIが公表したG7諸国の企業調査によると、多くの企業がネットゼロへの取り組みを維持する一方、その説明の仕方を「環境」から「レジリエンス」や「リスク管理」に置き換える動きが広がっている。政治的な不透明感が強まる中でも、脱炭素の便益がコストを上回るとの見方が優勢だった。

調査は2026年2月、英国、米国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、日本の企業経営者7068人を対象に実施した。それによると、気候変動への対応を怠った場合の経済リスクは、移行コストを上回ると答えた企業は74%に上った。将来的なコストや事業継続への影響に懸念を示した企業は81%、気候変動がサプライチェーンを混乱させる可能性があるとした企業は77%だった。

一方で、政治やメディアにおける気候変動懐疑論を受け、過去1年でネットゼロ施策の伝え方を変えたと答えた企業は61%に達した。これに対し、政治的支援の変化を理由に計画自体を修正した企業は24%にとどまった。BSIは、企業が行動を後退させるのではなく、説明の枠組みを変えていると分析している。

政策面の不透明さは投資判断に影響しており、76%がネットゼロ政策を巡る不確実性によって自信を持った投資が難しくなっていると回答した。ただ、83%は政府に対し、企業のネットゼロ対応を後押しするよう求めている。さらに79%は、今後10年のうちにネットゼロが再び政治の重要課題になると見込んでいる。

企業の基本姿勢は前向きだ。83%が各国の目標期限までのネットゼロ達成にコミットしていると答え、78%は仮に目標達成が難しくても脱炭素を優先すべきだとした。69%は過去1年でネットゼロに向けた行動水準を引き上げたとしている。

課題としては、ネットゼロ対応が業界の業績に圧力をかけていると答えた企業は80%に上り、過大な財務負担なしに達成可能とみる企業は50%にとどまった。77%は、自業界が他業界より大きな負担を求められていると感じている。障壁としては、高止まりするエネルギー価格のほか、グリーン技術投資向けの資金不足、事業成長の優先、人材や知識の不足などが挙げられた。

調査では、気候変動対応を経済成長の機会とみる声も多かった。78%が脱炭素と経済成長は両立可能と答え、76%はネットゼロが経済成長や雇用創出、エネルギー安全保障の強化につながるとみている。

BSIは、企業がネットゼロの取り組みを撤回しているのではなく、市場環境や政治状況に応じて進め方を調整していると指摘する。

原文:G7 firms are ‘climate-coding’, keeping net zero progress alive
日本語参考訳:G7企業は「気候変動対策コード」を導入し、ネットゼロの進展を維持している。


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