5月11日、世界最大のヘッジファンド会社マン・グループ、欧州最大の資産運用会社アムンディ、HSBCアセット・マネジメントの3社は、電源開発株式会社(以下、J-POWER)に対し、脱炭素戦略の強化を求める3つの株主提案を共同で提出したと発表。
本提案は、Australasian Centre for Corporate Responsibility (ACCR)との共同提案で、日本最大の石炭火力発電所オペレーターであるJ-POWERに対し、信頼できる排出削減目標の設定とその達成に向けた計画の開示を要請するものだ。 J-POWERは2050年の目標を「カーボンニュートラル」としているが、現在の目標はパリ協定で求められている目標には及ばず、拡大する海外での事業からの排出量もカバーしていない。
本提案は、世界的な化石燃料からのシフトに伴うリスクと機会を考慮し、J-POWERの長期的な価値を守ることを目的とした、機関投資家グループによる初の提案である。
今回の申請には、2050年までに温室効果ガスの排出ゼロを目指す日本が、「BLUE MISSION 2050」と名付けた現在の脱炭素戦略によって、J-POWERが競争力を失うのではないかという懸念について、 J-POWERと投資家グループが数ヶ月にわたって話し合いを行ってきたという背景がある。日本の現在のエネルギー危機は、輸入化石燃料への依存から、国内の再生可能エネルギーや蓄電への多様化の必要性を強調している。
【参照ページ】
(原文)First institutional investor group-led climate shareholder proposals filed in Japan
(日本語訳)日本初の機関投資家グループ主導の気候変動株主提案書を提出