機関投資家イニシアティブInvestor Agenda、岸田首相に書簡を提出。脱炭素に向けた強固な政策の実行を提言
3月25日、機関投資家のイニシアティブであるInvestor Agendaは岸田文雄首相に対し、脱炭素やクリーンエネルギーの拡大に向け、より強固な政策の実行を促す書簡を提出した。
2021年11月、グラスゴーで開催された第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)において、日本は、今後5年間で最大100億ドルの追加支援の誓約・世界的なメタンガス削減の取り組みである「グローバル・メタン・プレッジ」への参加など、温暖化を1.5度に抑えられるよう、メタンの排出の抑制を宣言。また、パリ・ルールブック第6条の実施指針を採択した。
一方でInvestor Agendaの日本政策グループを構成するPRI、CDP、AIGCCの3団体は、日本の政策上の遅れを指摘し、さらなる対策強化を要求した。
石炭火力発電の段階的廃止計画のうち、第6次エネルギー基本計画で、日本政府は2030年の電源構成に占める石炭火力の割合19%を目標とした。一方、国際エネルギー機関(IEA)は、2050年までのネットゼロ目標の達成に、2030年までに石炭火力発電の段階的に廃止を要求した。また、グラスゴー会議においても、各国が国別削減目標(NDC)を設定し、2030年までに石炭火力発電の廃止を宣言したことを取り上げ、日本へNDCの見直しを要求した。
また、現在、日本政府が指揮をとる「クリーンエネルギー戦略」のうち、「アジア・ゼロエミッション共同体」にも言及し、共同体内においてのリーダーシップの発揮・ASEAN諸国への技術支援内容の見直しを要求。日本が脱炭素化への道筋を明確化する必要性を主張した。
【参照ページ】
(原文)Re: Call for decisive decarbonization action after COP26