一般社団法人サステナブルコミュニティ設立3周年イベントを開催【イベントレポート】

2024年5月25日、サステナブルコミュニティの3周年イベントがTKP東京駅カンファレンスセンターで開催された。本イベントはサステナブルコミュニティメンバーが一同に集まる年に一度の催しで、今回も127名のコミュニティメンバーが参加した。

本コミュニティは2021年の春にX(当時はTwitter)で集まった有志によって立ち上がったコミュニティである。本コミュニティは企業のサステナビリティ担当者をはじめ、コンサルタントや機関投資家・ESG関連のスタートアップ企業などのサステナビリティに関連する多様なメンバーで構成されており、2024年5月末時点​​で640名超のメンバーが参画している。本コミュニティのパーパスは「サステナビリティに関わる個人をつなぎ、新たな機会を創出する」であり、サステナビリティに関する様々なテーマに関する情報交換を通じ、メンバー同士の相互学習とエンパワーメントを達成し、Build Forward Better* の実現に貢献することをミッションとして掲げている。

*SDGsの達成に向けて社会を前進させる、後戻りせず前に向けて改善、改革行動を積み重ねる

【イベント詳細】
日時:2024年5月25日(土)13:45 ~ 17:30
開催場所 :TKP東京駅カンファレンスセンター

【イベント概要】
13:45〜 コミュニティからのご挨拶
13:55〜 イベントスポンサーのご案内
14:00~ サステナ×スタートアップピッチ
14:45~ グループ交流
15:40~ サス担座談会「今、サス担が思っていること」
16:15~ ピッチイベント表彰式
16:30~ ネットワーキング
17:20~ 終了の挨拶・集合写真撮影

サステナブルコミュニティ3年間の軌跡

はじめにサステナブルコミュニティの発起人である山路祐一氏からの挨拶があった。

山路氏はコミュニティのこれまでの変遷を述べる中で、コミュニティの役割である「繋がり」への想いを述べた。

山路氏によると、コミュニティは1年前と比べメンバー数が約1.7倍の640名超となり、その多くが既存メンバーからの「ご紹介」であったという。コミュニティの重要指標である紹介率は現在も向上していることを説明し「ご紹介いただけることが、サステナブルコミュニティのメンバー拡大において最も重要な機能となっている。私はじめ運営側がリードするというよりも、メンバーの皆様に育てていただいたコミュニティである」とコミュニティメンバーに改めて感謝を述べた。

山路氏は、サステナブルコミュニティが目指す世界観として「サステナビリティパーソンのネットワークインフラとなり、サスコミュという共通言語をつくる」という野心を語った。将来的には「サスコミュのメンバーであること自体がその人のブランドになり、他者とのコミュニケーションやコラボレーションが加速する世界をつくりたい」と目指すべき方向性を示した。そして、目指す世界観のきっかけとして、メンバー交流は最初のきっかけであり、次につながる何かを見つけてもらうことが、このイベントの意義であると語った。

(山路氏スピーチ写真)

サステナ×スタートアップピッチ「サスピッチ2024」

オープニング後は、安藤光展氏の司会のもと「サスピッチ2024」が行われた。

サスピッチ2024では、サステナビリティの領域で起業し、急成長しているスタートアップ企業4社がそれぞれの事業や想いを熱く語った。

サスピッチ2024

①Sustineri

~サステナブルな選択を日常に~

1社目は、Sustineriの針生洋介代表のピッチが行われた。

針生氏は、日常生活や企業活動のあらゆる場面でCO2をはじめとする環境負荷を可視化し、価格・品質に加えた「環境負荷」の3軸で意思決定出来る社会を実現したいという想いを述べた。

同社はEコマース上でカーボンオフセットを可能とするサービスである「Susport」を展開している。

ICF Business Acceleration Programにおいて最優秀賞を獲得し、未来社会像の実現に最も貢献し得ると評価を得たと説明し、事業の可能性についてアピールした。

②Path Being

~アフリカの食料問題を解決するバイオ炭~

2社目は、Path Beingの伊藤淳代表のピッチが行われた。

伊藤氏は、現在は社会的意義があるものの、ビジネス化が困難とされている分野においても、将来的には持続可能なビジネスモデルが構築可能だと考えている。時代の変化、社会の価値観の移り変わり、資金の流入先の変化などによって、社会課題の解決につながる経済的に成り立つモデルを作ることができると述べる。そして、そのようなモデルを構築し、広く社会に普及させていきたいと語った。バイオ炭はまさにその領域の一つである。

同社はアフリカ数ヵ国でバイオ炭を製造し、土壌改良材として販売しつつ、バイオ炭由来のカーボンクレジットの創出及び販売を行っている。

バイオ炭により創出されるカーボンクレジットは、プレミアムクレジットと呼ばれており、通常のカーボンクレジットと比べて50倍近くの価格が付いているが、それゆえまだ買い手は多くない。しかし、今後の拡大が期待されている。

また、今後、世界的にSoil Healthの必要性が高まるにつれて、土壌改良材としての価値も需要も高まる。クレジット収入に頼らなくてもビジネスとして利益が生まれる世界が来ると強調した。

③Gaia Vision

~気候変動により傷つく人を一人でも減らす~

3社目は、Gaia Visionの出本哲共同創業者のピッチが行われた。

出本氏は、2022年には世界で8,000人以上が洪水で亡くなったことを説明し、このような悲痛な事例を無くしたいという想いを語った。

同社は気候リスク分析ツール「Climate Vision」やリアルタイムで洪水の予測が可能な「Water Vision」を展開している。

Water Visionは日本中の洪水をリアルタイム予測することが可能であり、工場等における実際の被害軽減や地方自治体における避難誘導、避難経路計画の策定などに用いることが出来るという、ツールの強みをアピールした。

④MOTTAINAI BATON 

~もったいないを無くして健康と笑顔を届ける~

4社目は、MOTTAINAI BATON の目取眞興明代表のピッチが行われた。

目取眞氏は、世界で生産された40%にあたる25億トンの食品が廃棄されていることを説明し、カレーを用いて食品ロスを解消したいという想いを語った。

同社は、廃棄される食材を活用したレトルトカレー製品を40種類以上開発している。

カレーはどのような食材とも合い、世界中で食べられている食べ物であるという、カレーのポテンシャルを説明し、カレーで世界を変えられるという想いを語った。

サス担座談会「今、サス担が思っていること」

本セッションはクローズドで行われ、企業のサステナビリティ担当者が3名に登壇いただき現場のリアルを語った。

登壇者3名はそれぞれ業界も経験も担当領域も異なっているが、サステナビリティ担当者として抱える悩みや課題は共通する部分もあり、ご参加された方からも共感される内容が多かった。

本来であればこのイベントレポートで詳細を伝えたいところだが、あまりにも生々しいコメントが続いたがゆえ、登壇者のプライバシーを保護する意味で詳細は割愛させていただくことをご容赦ください。

ピッチ表彰式

座談会の後、サスピッチ2024の表彰式が行われた。

【表彰結果】
  • サスコミュアワード:Gaia Vision
  • パネルアワード:Path Bing, Sustineri
  • オーディエンスアワード:MOTTAINAI BATON 

クロージング挨拶

イベントの最後には、代表理事の山本梓氏からクロージングの挨拶が行われた。

山本氏は、生だからこそ聞ける貴重な話が多くあったと思うので、何かを持ち帰っていただければ嬉しいと述べ、参加者とイベントスポンサーに改めて御礼を述べた。

最後に、メンバーの多様化が進み、外国人籍のメンバーも増えている本コミュニティを、日本から海外に発展していけるようなコミュニティにしていきたいと抱負を語りイベントを締めた。

さいごに:サスコミュへ入会希望の方はこちら

入会フォームURL: https://sustainablecom.notion.site/365ad70ddbeb42b99542335e4559ea6e

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