ノルウェー、欧州初の大規模DAC・CO2地中貯留プロジェクト始動

7月3日、独Phlair GmbHとノルウェーのCarbon Removal ASは、同社子会社NorDAC Kollsnes ASを通じて、ノルウェー・エイゲルダルにおける欧州初の大規模直接空気回収(DAC)技術および地中CO2貯留プロジェクトの開発契約を締結したと発表した。施設は、CO2を恒久的に地中に貯留するNorthern Lightsターミナルの隣接地に建設される予定である。

本プロジェクトでは、Phlair独自の電気化学DAC技術を用いて、大気中から年間最大50万トンのCO2を回収・貯留することを目指す。初期フェーズでは年間6万トンのCO2除去から開始し、段階的に能力を拡大していく。Phlairの技術は負荷追従性に優れており、電力網の安定化と再生可能エネルギー導入の促進に貢献しながら、低コストでのDAC実現を可能にするという。

Carbon Removalの創業者で会長のエイリク・リレダールは「ノルウェーにおけるDACの可能性、そして気候変動との闘いにおけるその大規模な貢献力を信じている」と語った。Phlairのマルテ・フォイクトCEOも「欧州がカーボン・マネジメントのリーダーになる転換点に立っており、コスト効率的なDACの可能性を証明したい」と述べている。

本プロジェクトにおいて、PhlairはHydrolyzerモジュールの供給、エンジニアリング、設置、試運転および技術支援を提供し、NorDACはプロジェクトの全体開発と運営を担う。契約期間中、Carbon Removalはノルウェー国内でのPhlairの排他的DAC顧客となる予定である。

(原文)Agreement with Carbon Removal for large-scale DAC in Norway
(日本語参考訳)ノルウェーにおける大規模DACのための炭素除去に関する協定

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